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GEN'sログ(雑記)

イラスト&コミックのサイト「GENユニバース」の管理人GENのブログです。

日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集08)

20160213134950012_0001.jpg以前、入っているケーブルテレビでAMラジオが聞けるようになったと知らされる。
しばらくした朝方、テレビもビデオも音楽も今はなぁ、というときに思い出し、
試しに聞いてみると、面白かった本、というお題を募ってのトーク中。
そこで、視聴者からのメールで紹介されていたのがこの本で、
とにかく、町田康版の『宇治拾遺物語』が腹抱えるほど面白く、
それは例えるならズルいんだそうで、
これは尋常じゃないなと思い、気軽に買ってみた。
もちろん、Amazonのレビューにもズルいとの感想あり、ますます期待。

で、届いたら、3センチぐらいある500ページ越えの本だったんでビックリ。
『聊斎志異』に続いてまたやっちゃったか(格闘中)、と一瞬ひるみましたが、
読みやすい現代語訳なんであっさりサクッと読了でした。

で、『宇治拾遺物語』ですが、
主に、滑稽で昔話の元ネタあたりを集めてあるんで、話自体が面白いのは間違いなしです。
さらに、町田康版は・・・・・・、やっぱりズルかったです。(笑)
なんちゅう好き勝手な翻訳をすんねん、という感じ。
ただ、個人的には凄くシックリくる文体というか、ノリ重視が好感が持てますね。
あえて丁寧な言葉でディスるとか、インギンな感じなところが、
自分でも『円谷劇場』の感想で似たような感じで書いてたんでピタッと来たというか。
だけどですね、あまりにも事前に面白いと聞かされ過ぎたんで、
本当に面白かったのに100%で感じられなかったのが非常に残念。
ただの文学全集だと思って読んだら、たぶん声出して笑ってると思います。


そのほか、全体としては、この巻は説話を集めていて、どれも、基本的には仏教説話の範疇に入るものだそう。
画像の右、『日本霊異記』から左に時代が下っていき、同種の話で比較も出来ます。
いくつかご紹介。

『今昔物語』から
「天狗に狂った染殿の后の話」
高僧が后に狂い鬼と化し、后を色情狂にして衆人環視で事に及ぶ。
という山田風太郎も真っ青なとんでもない話。

「何者とも知れぬ女盗賊の話」
偶然仲良くなった女と暮らし始めるが秘密が多く、実は、女は盗賊の頭であった。
という、『鬼平犯科帳』に出てきそうな話。

「大きな死人が浜にあがる話」
常陸の浜に15メートルの巨人の死体が打ち上がる話。
首、右手、左足がなく、やがて腐って周囲に人が住めなくなるというリアルさ。

と、ここまでは不思議な話が主で、『宇治拾遺』まではそんな話が多いんですが、
実は、この本を読んでいちばん思うところがあったのは、最後の『発心集』。
いわゆる、発心して世を捨て自ら往生しようとする人たちの話。
判りやすく書くと、心が乱れぬうちに自ら死んで、よりよく転生したい、
極楽、仏の世界に導かれたいと思って実践した人たちの話。

これがねぇ、悩んでるんですよ。いつの世も。いじらしいぐらいに。
しかも、修行を積んで偉くなっちゃうと慕われちゃうんで、この世に未練が増しちゃう。
心穏やかでいられなくなると困るんで、偉いことを隠す。
さらには、下卑たフリをする。何だったら疑われないように怠惰に振る舞う。
乞食ぐらいは当然で、もの凄い人になると悪徳政治家みたいな対極の人物を装う。
もう、訳判らない世界ですが、みんな必死です。

その中でも、ああ、今読むべきと思わせるものが2つ。
一つは、「書写山の客僧、断食して往生の事」
山でひとり断食の末往生しようと決意した僧のことを周囲に漏らしたため、
人が集まり見世物のようになってしまったという話。
その話に対して、著者の鴨長明は、
(面白半分に集まり、拝んだり邪魔をしたり疑ったりした野次馬どもに対し)
「自分の心の至らなさを棚にあげ、信じないばかりか、他人の信心をも乱そうというのは、
馬鹿もここに極まれり、としか思えない」と喝破。

もう一つは、「日吉神社に詣でる僧が死人を葬る事」
百日詣でをしている僧が、その期間汚れを嫌うにも拘らず葬式を手伝ってしまうという話。
誓いを破ってしまった身で恐る恐る神社に行くとトランス状態の巫女に見破られるが、
「信心を起こさせるための方便としての物忌みなのはわかるだろう、
ただ人に語るな、慈悲の為に禁忌を犯したことは、愚か者にはわかるまい。
みだりに倣えば、ようよう発したこれっぽっちの信心が乱れてしまう。
善悪は、人によって違うのだよ」と言葉をかけられる。

この2つの話は、今のSNSを取り巻く状況に照らし合わせて考えられる話ではないのかと。
なかなか深い。

ちなみに、長明、最後にとうとうと阿弥陀経について熱弁を繰り返し、
若干、新興宗教の勧誘テイストになってややゲンナリ。(いいけど)

紹介してないものも満遍なく面白いんで、興味のある方はぜひ。
関係ないですが、最近、また思い出してテレビからラジオを選択しようと思ったら、
そのページ自体がなくなってました。(おのれ、JCOM)
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テーマ:読んだ本の感想等 - ジャンル:小説・文学

  1. 2020/05/29(金) 11:16:20|
  2. 本、コミック感想
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箆棒な人々―戦後サブカルチャー偉人伝

71q0xdMFeAL.jpg編集家でライターの竹熊健太郎氏が戦後のサブカル怪人4人に肉薄したインタビュー集です。

元々、竹熊氏に関しては、『サルまん』のやり手編集者という印象しかなく、
読んだこともロクになかったんで、何だったらマンガを揶揄してる人ぐらいに思っていたところ、
以前、メビウス来日時のシンポジウムが載った本で(司会をしておられました)、
真摯な上に非常にものを知っているということが判り、印象が逆転。
そのことがあったんで、石原豪人氏の本でこの本が紹介されているのを発見して、ならばと購入。

いや、凄い!!
この一言。

こんな規格外な人達がいるのかと。
まあ、4人中3人は知ってましたけど、改めて生い立ちや業績を知ると凄すぎて現実離れして見える。
豪人氏と川内康範氏は、別でロングインタビュー等読んだことがあったんでそこそこ知ってましたが、
康芳夫氏は噂程度で具体的には初めて知りました。
オリバー君呼んだ人として有名ですが、戦後サブカル史に暗躍し過ぎ。(笑)
あの事件も、この事件も関わってたり、関係者だったり、仰天の連続。
もうね、リアルマモーですよ。
容姿もね、絵に描いたような黒幕感でイカス。
まあ、驚くことだらけなんですが、一番凄かったのがお金の集め方、
もう、ついていけないですよ。

壮絶なのは、川内氏も相当なんですが、
いちばん死線を越えかけたのが豪人氏。
年齢が上なだけはあります。007ばりな危機一髪。

最後のひとりはダダカンという全裸前衛芸術家の人で、
こんな純粋な人がいるのかと、最後は感動すらすると思います。
それを、よく諦めずに根気よく取材し記録に残した竹熊氏の仕事っぷりにも脱帽。
4人とも、あの時期に奇跡的に直接声が聞けて本当に意義深かったなと。

それにしても、子供の時は知りませんでしたが、
70年代とか、全裸で疾走してる人が時々いて、「ストリーキングが出た」とか騒がれてました。
野球場で外野に飛び出して走ってるバカとは、何か違うとは思ってましたが、
あれ、ハプニングっていう前衛芸術運動のひとつだったんですね。
まあ、そのこと自体は、この本で知ったわけじゃありませんが、
ダダカンもそのハプニングをするハプナー。
オノヨーコも元ハプナー。

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2020/04/03(金) 08:17:54|
  2. 本、コミック感想
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それをなすもの―「新世紀エヴァンゲリオン」コンセプトデザインワークス

36392529_UY2500_SS2500_.jpg『エヴァ』の最初期のメカ関係のコンセプトデザインを集めた本ですね。

これは、メカデザインについて話し合ってる掲示板のまとめサイトか何かで、
複数の人が面白いと言っていたので、興味を持って購入。

そうしたら、古いんですね、この本。
少なくとも、旧劇場版の後に出てるのかと思ったら、その前。
それでも、面白かったです。ちょっと思ったのと違ってましたが。

それまでも、TV版の資料を集めた大判の本(ニュータイプの別冊かな)は2冊ほど持ってたので、
大まかにはデザインが出来るまでの流れは知ってたんですが、
まったく定まる前からのを見るのは面白かったですね。
全体に、もの凄くフワフワした状態で進めていってるのが意外で、
他人の意見もごった煮状態で混ぜていってしまうのが、へぇ~、とちょっと驚き。
庵野はもっとキメキメで進めていくのかと思ってました。
なもんだから、あることないこと思わせぶりに謎を掛けてても、
実は、その時その時の思い付きだったりして、
でも、頭のいい人たちだから、それに表面上は繋がりも意味も持たせられてしまうわけで、
いやぁ、世間がまだ悩んでるうちに、意味なんかないってバラさない方が・・・・・・、
と今読んでも思ったり。まあ、すでに知られてることですが。

で、内容ですが、
主にエヴァ関係の山下氏と背景その他のきお氏の2人の漫画家によるコンセプトデザインで、
権利関係の問題か、2人が直接描いたもの以外の絵は入ってません。
なので、最終的にこうなったという比較が出来ないのがちょっと残念ですが、問題はないです。
とにかく、最初からどのデザインもセンス抜群ですね。
(特に、ミードに影響受けたと思しきカラーイラストはセンスも技術も凄いです)
物のフォルムにいちいちこだわりを感じて、ちょっとしたものでもカッコよく、
これが正解だなと感じさせるデザインといいますか、
やっぱり、メカはミリタリー関係とかよく知ってる人に限るなと。
その上、デザインに拘りがあれば、なお言うことなしじゃないですか。
しかも、かなり作品にアイデアが採用されてたりするんで、
2人がいなかったら、多少作品の傾向が変わってたかも、という気も。
採用は、重要でしたね。

関係ないですが、昔読んだ本での山下氏のコメントが小難しいこと連発で、
これは、頭良すぎて観念でしか話さないような面倒くさい人なのでは・・・・・・、と思ってたんですが、
違ってました。別の意味で面倒くさそうでした。(笑)
さらに、庵野のコメントはそれの上を行く面倒くささで放心。
  1. 2020/02/22(土) 06:14:54|
  2. 本、コミック感想
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BEEP! メガドライブFAN

61phJtoTdRL__SX258_BO1,204,203,200_以前、ブログの記事でも書いたメガドラミニ。
入荷のタイミングや値段の推移なんかをず~っとチェックはしてたんですが・・・・・・、
あえての見送り。(笑)
まあ、やらないのは目に見えてるんで、よほど安い中古でも出たときでいいかと。
まっ、実際は、何度も買いそうになって、土壇場で方向転換したんですけどね・・・・・・。

で、その代わりと言っては何ですが、もし買ったときに困らないようにこの本を。
いやぁ、何年ぶりでしょうかゲーム雑誌買ったの。
懐かしい感覚ですね。
セガ系は、BEEPの終わりから、ドリキャス終了まで、ずっとソフトバンク系の雑誌を買ってたんでね。尚更です。

で、内容ですが、ゲームの数が多いんで、思ったよりタンパクな攻略記事中心でしたが、
メガドラミニ買ったとなると、やったことないソフトに関しては、確実に必要になってくるでしょう。
なんで、持ってて損なし。足りなきゃオマケのDVDに当時の雑誌紙面がPDFで入ってるし。
ほか、インタビューやコラムやコミックも(BEEP中心なのかな?)豊富にあって、そのあたりも十分楽しめます。
ただ、ダライアスに関して、もっと突っ込んだ記事があるかと思ったんだけど、
冒頭の全体の開発秘話の中に出てくるだけだったのがチト残念。
アーケードとの比較とか、技術的にどう大変で、どう乗り切ったのか、とかもっと知りたかったな。
まっ、諸般の事情で詳しく言えないのかもしれないけど。

それにしても、まさか、まさか、ジェネシス版にトレジャーの『ライトクルセイダー』が入るとはね。
あんなに、ほとんどのソフトが入るなら、いっそトレジャーBOXみたいなの出せばいいのに。
それで、未完で出しちゃったの修正してくれればよかった。無理か。(笑)

で、興味のなかったソフトの記事もちゃんと読んでみたら、
収録されるに値する革新的なポイントがちゃあ~んとあるのね。
『ロードラッシュ』なんて、ただの殴れるラスタスクロールのレースかと思ってたら、
なんと、物理演算エンジンが積まれてて、バイクの挙動や事故の吹っ飛び方が無限に近いんだとか。
知らなかったなぁ。
そういった、当時興味がなかったソフトをやってみるのも楽しそうだよね。

ああ、時間があるならやってみたい。
なら、買えってか?

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2019/11/25(月) 02:12:50|
  2. 本、コミック感想
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成田亨画集 (2) メカニック編

117464248_o1.jpg怪獣編の方は80年代に買ってたんですが、
メカニック編の方は内容的に今買わなくてもいいかと先延ばししているうちに本屋から消え、
そのうち、かなりのレア本になってしまい買いたくても買えない状態に。

ネット時代になり、ときどき(数年に1回)思い出したようにアマゾンで調べても、
大体、いつも安くて6千円とかなんで、どうにかならんかなと思案していると、
あるとき、回顧展の図録がそのまま分厚い作品集になって一般販売。(即買い)
ああ、これでもういいか、と一旦は買う気もなくなったんですが、
復刊ドットコムから2冊をBOXにして復刊を知る。(ハードケースに2冊入ってる)
一瞬買おうかと思ったんですが、2冊まとめての販売なんでなんと1万円近くする。
で、まあ、復刊したんで古い方は安くなるかと思いきや、それもならない感じなんで、いいかと。
ただ、チェックは毎日するようになったんです。
そうしたら、こんなこともあるんですね、突如、いつものプレミア価格の半額以下が出現。
どんなボロかと思ったら、そんなことない感じ。
いいんですか?って感じでとうとう入手に至りました。(笑)

たぶん、作品集の方にも大半は載ってるんですが、それでもなんで欲しかったか、というとですね。
それは、成田氏ご本人のコメントが載ってるから。いわゆる解説ですね。

で、どうだったか、
内容の印象は、怪獣編買った当時とたいして変わらず、やや地味というか、点数も少ない感じでした。
コメントも、怪獣編のように細かくなく大雑把でちょっと寂しい。
でも、その短くも端的なコメントが宝のように輝いてましたよ。
どの作品も、かなりキッチリコンセプトを決めて、こうあるべきという理想に乗っ取った形で表現されている。
これは、大いに参考になるというか、ありがたいお言葉でしたね。
こうあるべき、というのは、こうであってはいけない、ということでもあって、
デザインするときの縛りにもなる要素ですが、それが、表面的なものだけではない概念的なものも含むので、
結果として、似たものばかりにならずに統一感を生む、ということに繋がる。
なにか、改めてヒントを頂いたような気が・・・・・・。(まあ、勝手に汲み取った感じですが)
これだけで、買った甲斐がありましたね。

それと、改めて、絵の良さ、特に色使いと不定形なものを描くときのかたちの巧みさに驚かされました。
雲や海を描くときの独特なモザイクのような色面を組み合わせた表現が良くてですね、
この、表紙の雲もそうですが、トータルではリアリティーを保ちつつ、
細部は、ひとつひとつ平面的(と同時に抽象彫刻的な立体でもあると思う)な処理で抽象表現されていて、
そのフォルムが、完全に自分のイメージでコントロールされているのが素晴らしい。
たとえデザイン画でも描くからにはアートなんだという矜持が汲み取れますよね。
いやぁ、俄然、参考にして絵、描きたい。

各デザインのカッコ良さは詳しく書きませんが、Qのメカとか素晴らしいです。
ちなみに、表紙は未発表のQの潜水艦。(飛んでますが)


興味があれば、復刻もされてるんで探してみるのもいいと思いますが、
コメントに関しては、受け取り方次第といった感じなんで、期待はしない方がいいと思います。
お薦めは、あえてしないかな。

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2019/11/01(金) 10:41:04|
  2. 本、コミック感想
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