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イラスト&コミックのサイト「GENユニバース」の管理人GENのブログです。

分解された男

51YRNTP960L.jpg「虎よ、虎よ!」に続き、アルフレッド・ベスターの「分解された男」です。

書かれた順番的にはこちらが先で、堂々の第一回ヒューゴー賞受賞作。

大まかな舞台設定は「虎よ、虎よ!」と近く、太陽系の果てまで人類が進出した未来で、エスパー能力を開花させた人物たちが活躍する物語。
「虎よ、虎よ!」はテレポーテーション(ジョウント)を扱った復讐劇でしたが、「分解された男」はテレパシーによる読心術を扱った推理サスペンス。
いわゆる警察物、犯罪小説のたぐいで、「コロンボ」や「古畑」のような倒叙物(先に犯人が判っている形式のもの)でもあります。

さすが、ベスターだけあって設定が面白く、テレパスの出現によって世の中から計画犯罪がほぼ根絶されてしまっているところがミソ。
そんな不可能とも思える環境の中、野心に燃えた大企業のボス、ベン・ライクはライバル会社の社長ド・コートニーの計画殺人を企て実行に移します。
それを迎え撃つ、ニューヨーク警察本部長〈超感覚第一級〉のリンカン・パウエルとの苛烈な頭脳戦とアクションと奇想に満ちた精神世界の表現。

はじめは、訳の古臭さも手伝って"こんなものか”という感じでしたが、読み進むうちにだんだんとんでもない展開になって、めまぐるしく場面が変わっていくうちに最終的に感動。
いや、まさか泣くハメになるとは・・・。

中盤、バーバラとパウエルが急接近してから、特にラストの2人のやり取り、さらに変わり果てたライクの一言。
そして、パウエルのまだ目覚めていない人類に対しての大上段からの切なる願い。
ほんと、感動してしまった。

なんといっても、タイトルでもある"分解”の真実。
死刑に並ぶ最大の極刑ではあるが、その意味するところの死刑との違いの大きさに考えさせられる。

とにかく、出てくる人物に魅力があり、好きにならずには居られないようなところがあるのがイイ。
「虎よ、虎よ!」でもそうだったけれど、各人物それぞれの個性の差別化が行き届いていて、非常にくっきりしたイメージが保たれていて好感が持てる。
SFにおけるキャラクター作りのいい見本のよう。
これは、タイポグラフィー遊びが好きな作者らしく、登場人物の名前にも現れていて、
ベン・ライク、
クレイ・ド・コートニー、
オーガスタス・テイト、
ダフィー・ワイガ&(ンド)、
サム・@(アト)キンズ、
キーノ・クイザード、
リンカン・パウエル、
ジャクスン・ベック等々、遊びも含めてこだわりが感じられる。

「虎よ、虎よ!」があまりにぶっ飛んでいるので、ややおとなしく感じる部分もありますが、これも間違いなく傑作です。

ちなみに、劇中登場する電波ソング「いわくテンソル」には要注意。
冗談でしょ、と思っているうちに耳から離れなくなります。


関係ないっすが、平井和正ってベスターの影響大なんだな。



追記
「いわくテンソル」に曲付けてみました。
2バージョンあります。

ここの「作曲」からどうぞ。
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  1. 2008/12/03(水) 11:27:19|
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