頭にプールがある超獣が少年少女のヘソを取る話。
主な登場人物
「北斗星司」 男側主人公、南と合体してAに変身する。池田鉄洋的オーバー演技傾向あり。
「南 夕子」 女側主人公、北斗と合体してAに変身する。皇后様似。
「竜 五郎」 TAC隊長。必殺技「一週間の謹慎」。なにかと死に急ぐ男。
「山中一郎」 射撃の名手、何故か2丁の両手撃ちが基本。直情型のキ印野郎。
「吉村公三」 宇宙生物の権威。今のところ全くの空気。
「今野 勉」 ロケット工学のオーソリティー。デブキャラ。人の失敗をネタに笑いを取るのが趣味。光の速さで心が折れる男。
「美川のり子」通信、副官担当。爆弾魔。エロ担当。
「梶 洋一」 兵器開発主任。新興宗教の教祖のような制服着用。
冒頭、母親が屋台のラーメン屋をしているスキッ歯の少年が、嘘つき呼ばわりされイジメられる。
少年は木の上で、“寂しさを強がってごまかすがやっぱり滲み出てしまう”表現としてオカリナを吹いていると、遠くの邸に頭がプールの河童超獣が地中に潜ってプールに化ける、というシュールな場面に出くわす。
少年はさっそくTACを呼び、邸に案内するが、なにもそれらしい証拠も無く、北斗、山中、母親、姉、近所の野次馬に自説をバカにされる。
いわゆる、嘘つき少年パターン、「信じてくれよぉ~!!」のフォーマット。
その後、スキッ歯少年はクラスメートを引きつれ様子を伺うが、家主の老夫婦が手招きすると少年の制止も聞かず誘われるままプールで泳いでしまう。
クラスメートたちは、老夫婦が怪しげな笑みを浮かべると、当然のように水中に引き込まれる。
少年が慌てていると姉が通り掛り、やはりプールで泳ぐのだという。
急いで追いかけるが、すでに遅く泳いでしまう姉。
出てきたクラスメートと会った少年は、2人にヘソが無いことに気づく。
その後、やってきた北斗を連れ邸に入ると姉が普通にしており、苦笑しつつ、辱めをする如何わしさを押し殺しきれないような、何とも緩んだバカづらで姉のヘソの確認を北斗がすると、ヘソは確かにあった。
少年の嘘を笑い話として済まそうとする一同であったが、少年の「本当だと判ったら・・・?」という問いに老夫婦は「北斗さんがヘソを取り返す」といいだす。
少年が本当にやってくれるのか北斗に確認すると。
やや場違いな真剣さで「嘘をつかないことが男にとって一番大切なことである」ということを、真面目に少年に伝える。
このシーン、子役たちの演技が恐るべき棒。
タイミングも何もなく、学芸会以下のところも。
本部に帰ると、恒例の吊るし上げが待っている。
今回は、今野のゲスな冷やかし&山中の激昂&吉村のたしなめ、というトリプルコンボ。
「アッハハハッ、TACの隊員が女の子のおヘソ調べとはね(赤らんだウヒョウヒョ顔で)」「そんなことばかりしてるからTACの評判が悪くなるんだ!!」「甘いなぁ~、北斗隊員はだいたい子供に甘すぎるんだよ」
毎度、ご苦労なことである。
夜、北斗と南は少年の母のやっている屋台でラーメン、ズルリ。
少年を過剰に擁護していると、逆に重く感じた母親に構わないよう、丁寧に断られる。
少年宅、少年がランニングとパジャマの下だけで寝ていると、姉が部屋に入ってきて鏡台に向かってシャツをペロリ。
ヘソの辺りをまさぐると、薄皮のようなシールが剥げへそが無くなる。
そのまま家を出てゆく姉の異変に気づいた少年は、例の邸まで後を追う。
邸に入るとそこには呻くクラスメート、顔手足にはボコボコと何かが張り付き水草のようなものもビッシリ。
逃げようとすると、今度は姉とかち合う。
姉の顔は半面が爛たようになっており、リアル少年ならかなりの量おしっこ洩らすレベル。
さらに、老夫婦も、いかにも本性をさらけたような(ショッカーのような)不気味メイクで現れ、少年をプールへ落とす。
ここで老夫婦から、“ヘソを取り返すことは北斗をプールへ落とすための罠”であることがバラされる。
少年、ヘソが無くなる。
邸の異常に気づいたTACは緊急出動、邸を囲む。
病院に収容された少年は薬で眠らされている。
その顔は爛れた黒ヒゲ危機一髪、身体は水草ビッシリ。
身体は河童超獣に侵されたが、精神は保っていたので脱出も出来た少年だったが、そのことを褒め称える梶は、北斗と南の前で自論を展開する。
「大脳皮質ホルモンに異常がみられる」「ここまで持ちこたえたのは子供にしちゃ凄い精神力だ」
「普通、こういう症例の患者は、心まで敵の思い通りになってしまう、つまりサイボーグとなってしまう」
「この少年がそうならなかったのは、何かよほど気になることがあったからに違いない」
さっぱり意味がわからない上中身が無い。
北斗は再度ヘソを取り戻すことを約束し、止める南に中学時代の遭難しかけたエピソードを語って、一度した約束がどれほど重要かを説く。
邸では無能者今野を筆頭にみなウロウロ。
闇雲に苛立ってみせる。
業を煮やしガス弾を打ち込み突入すると、不適に笑う老夫婦が待ち受けている。
怪しい動きをした瞬間銃弾の雨を浴びるジジイは腹からメカをこぼれさせ、奇妙なダンスを踊って絶命。
なんと、ロボットだった。
さっきの怪しいショッカー顔は何のフェイントだったんだ。
北斗は少年との約束を思い出し、プールへ飛び込むべく窓から飛び出す。
南が追うとババアの方に左の二の腕を撃たれてしまう。
北斗がプールへ飛び込むと、超獣はすかさず立ち上がる。
地面が割れ、プールがせり上がるとその下には顔が付いており、ツララのように垂れ下がった牛の角のようなものが生えている。
全体は、大きい盆栽の角鉢を頭に載せた、ずんぐりウロコ亀といった感じ。
南は変身のことを視野に入れ、隊長にアローでの突撃を申し出るのだが、怪我を理由に却下される。
しかし、少年の病院もメチャクチャに破壊され(!)、埒が明かないとみた南は独断でアローに乗る。
その後、打ち落とされ、その間ず~っと溺れっぱなしの北斗とプールの中でウルトラ・タッチするのだが・・・、南は一旦アローに乗るため基地まで帰っている。
たしか、TACの基地は富士山麓・・・。
いや、奇声で鬼女を倒す南のことだ、一瞬の往復もありえるか・・・。
変身後、激闘のすえプールの水を奪い、巨大カッター光線で真っ二つ。
外の青に対して中のスイカのような赤のコントラストがまぶしい。
ちなみに臓器などは無く、赤いものがミッチリ詰まっている。
焼け野原になった病院辺りの瓦礫から少年と母親が出てくる。
他に人は見当たらないので、あるいはみな助からなかったか・・・。
全快してヘソも戻っていること、約束を北斗が守ってくれたことにはしゃぐ少年。
そこへ鬼の顔した隊長たちが現れる。
「えぇ、北斗、南両隊員は、重大な規律違反を犯した・・・・」
規律の鬼の必殺技が久々に繰り出されるかに見えたが・・・・。
「したがって・・・・、明日の日曜日は2人揃って出勤」
「子供たちを海水浴にでも連れてってやれ」
隊長の粋な計らいに小躍りする少年たち。
見詰め合う笑顔の北斗と南でEND。
河童超獣が「頭の皿を使って豪邸のプールに擬態する」というアイデアが面白い。
内容的には、「約束を守る大切さ」「嘘をついてはいけない」という教訓を説くのに、「河童にヘソを取られる」という話ではあってないような気が・・・。
やはり、製作者側も隊長が旧日本軍的厳しさの持ち主というのに自覚があるようで、それを逆手に取ったくすぐりを入れてきた。
こういった、一種の遊びは面白い。
しかし、北斗は今回重大な規律違反なんかしたかね。
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- 2009/11/02(月) 06:44:11|
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