グロース星人が怪獣の中に潜んでいる話。
<主な登場人物>
■一般人
立花ナオキ(立花直樹):エメラルド星人からセスナに偽装するジャンボーグAを貰った本編主人公。大利根航空に勤めるパイロット兼整備係。キックボクシングの覚えあり。無軌道な直情型。亡き兄の嫁、その息子と同居。
立花茂子(桜田千枝子):ナオキの義姉。PAT基地内で「スナック・PAT」を経営。昼下がりの団地妻風後家。
立花和也(香山高寛):ナオキの甥。茂子の息子。ませギャグで大人をからかう癖あり。
伴野大作(田崎 潤)大利根航空社長。元PATメンバー。
■PATメンバー
立花信也(天田俊明):PAT初代隊長。ナオキの兄。頭部に落石を受けいきなり1話にて死亡。
岸 竜蔵(大橋一元):PAT二代目隊長。沈着冷静だが熱血漢。石原良純似。大阪での特攻により12話にて死亡。
浜田 守(松川 勉):PAT三代目隊長。面倒見のいい人格者。元チーフ。ゴージャス松野似。非常に滑舌悪し。
熊井五郎(丸岡将一郎):デブキャラ。ナオキからはダルマ呼ばわり。
野村せつこ(加瀬麗子):PATの紅一点。ナオキに世話を焼くお節介。ナオキからはアンパン呼ばわり。B級アイドル的容姿。
風間一平(中村俊男):元ナオキのライバルの飛行機野郎。背は小さいが生意気なチンピラ風性格。プロゴルファー猿激似。19話にて東京に水爆を落とし損ねて北海道に左遷。
大羽健次(瀬戸山功):眉の太いすっとぼけ野郎。馴れ馴れしいところあり。ノブコブ徳井似。
冒頭、高度経済成長下の街並み、人並みが映り、被せるようにマッドゴーネの「活気に溢れすぎている」との苦言が呈される。
その活気を称して「キチガイじみてる」「まさにキチガイ星だぁ!!」と差別的用語を連発して揶揄。見てるコッチをヒヤヒヤさせる。
都内某所では、和也たちが道路野球で中華料理屋のガラスを割っていると、空から超巨大な黒大豆かカエルの胚のようなものが降ってきて仰天。
近づくとそれはいきなりブサイクな怪獣になり、いきなり集まった近所の人たちの前でいきなり寝る。
そのダイゴロウ的なオーソドックス出ベソ怪獣は、まぶたが動くが、鼻の穴の周囲もヒクヒク動くレア仕様。
そして、サブタイトルinなのだが、急にBGMの音がクリアになり、白バックにそれっぽい書体で「-グロース第2号作戦- 謎! ノンビリゴンの正体」と出る。
が、本来のサブタイトルは「-グロース第2号作戦- 気ちがい星とノンビリゴン」。冒頭で連呼しちゃってると思ったら、案の定サブタイトルにも“気ちがい星”。気ちがい星とはもちろん地球のこと。
大利根では社長がヒマそうにミルクとサンドイッチ。和也から「怪獣が出た」と電話が入るとジャンを磨くナオキに知らせるが、とうとうセスナのカギ渡さず。「怪獣が出るたび無断でセスナ飛ばされたんじゃ、商売あがったりだ」「行きたかったら自分の車で行け」と、もっともな意見。腐るナオキ。
公園で寝続ける怪獣に結局車で駆けつけるナオキとPAT。
和也たちは可愛いと気に入ってる様子だが、集まった大人たちは文句ブーブー。ざあますママは「お勉強が手に付かないわ!!」で、しまいには「日当たりも悪くなるわ」と意味不明。
しょうがないので、PATも浜田の呪文のような聞き取れない命令で作戦開始。
PATは戦闘機2機でトンでもなく正確に怪獣の両鼻の穴にワイヤーつきミサイルでフックを掛ける。
が、結局重すぎて移動すら出来ず退散。民衆を落胆させる。
大人たちはナオキの助言も聞かずに自分たちで排除すると言い出すが、目が覚めた怪獣の青光輪を浴びるとみなアホのようにダラ~ンとして帰ってしまう。中華料理屋は店を臨時休業にし、タクシーの運転手は眠り、工場は操業をストップ。子供たちはノンビリになってしまった大人たちに「これで邪魔されずに遊べる」と狂喜。怪獣にノンビリゴンというあまりイカサない名前を付けて小躍りする。(ちなみにナオキは助言後あきれて去ってます)
街がすっかりノンビリになってしまうと、マッドゴーネは破壊工作実行の為いつものグロース星人を送り込むのだが、なんとグロースの面々はすでにノンビリゴンの中に待機しており、のど元のシェリフバッジのような部分の中心が開くと中からスルスルと数名のグロース星人が現れる。映像は非常にシュール。
その後、グロースは若者数名を殴りつけ乗っ取り。乗っ取られた若者は超人ハルクなみに顔を青くする。(実際は緑)
ハルクメイクの若者たちは大胆な忍び足で爆弾を仕掛けて回る。
スタンドやガスタンクに集中的に仕掛け、ナオキに見つかるとタンクのキャットウォークで格闘開始。
かなり腕の立つ若者たちは、ナオキを集団で叩きのめすとタンクの何かの開閉ハンドルに頭を打ちつけ昏倒させる。
公園周辺に居た熊井たちも伸されてしまうと、若者たちはそのままノンビリゴンの中に退場。
駆けつけたナオキは青光輪にやられかけるが、巧みに身体能力で避ける。
すると、浜田がファイティングスターで現れ、ノンビリゴンにメチャクチャな絨毯爆撃。さっきまで子供に気を使って移動させようと腐心していた人とは思えない行動に出る。もちろん子供たちの反感を買う。
泣きついてくる子供たちに「あの中にはグロース星人がいるんだ」と説明しても「嘘だ!!」と信じてもらえず、このままPATが憎まれてしまうのを恐れたナオキはジャンを取りに大利根へ行く。(面倒臭ぇ)
浜田は困り、マッドゴーネは再びガスタンクや千代田ビルヂングに爆弾を仕掛けさせる。
大利根ではナオキが土下座の懇願で社長からジャンのカギを奪取。
もう秘密を言ってしまわない限り、無断で持ち出すのは限界かもしれない。
ジャンが現れたと同時に、仕掛けた爆弾を電波で起爆させていくノンビリゴン。見た目はナメック星人みたいな角からの怪光線なので、ノンビリゴンが光線で街を破壊しているのと何ら代わりがない。
火の海になる街に騒然となるナオキ。
この期に及んでまだ怪獣の肩を持つ子供たち。このまま育つと、親と喧嘩した腹いせに実家に火を付けるような高校生になることだろう。
ナオキは「和也・・・、判ってくれ」と心を鬼にしてノンビリゴンを痛めつける。技の雄叫びが何故か他人のような渋い声。
ジャンにノンビリゴンが倒されると、判ってくれなかった(直接言ってないからな)子供たちは泣き叫びながら駆け寄り、グロース星人たちは、猟師に撃たれたイノシシから逃げ出すダニのようにノンビリゴンを後にする。
かくして、工場は煙突から煙を吐き、街には活気が戻りだす。
子供たちは「つまんないなぁ~」とガッカリ。
ざあますが勉強させに戻っても反抗しきり。「大人は判ってくれない」の体で身の保身。
が、倒れただけだったノンビリゴンが息を吹き返し、子供たち歓喜。ナオキがジャンでノンビリゴンを宇宙に放り投げ、「しばらく、お前の星に戻って身体を休めてくれ・・・」「その代わり、地球の子供たちが呼んだら、いつでも戻って来いよ、いいな」と、訳の判らないことを言い、カポック削り出しみたいなユルユルノンビリゴンが虹に乗って飛んで行きEND。
冒頭の四文字発言も酷いが、内容もどうなのか。
教育熱が激しく、教育ママが槍玉に上がっていた時期なので、それからの解放という子供の夢を叶えるウルトラ系ではよくある話のひとつではあるのだけれど、今回は怪獣が明らかに悪く、子供たちは騙されているというか、一方的に信じきってるだけ。
それをナオキも含めいいもの風に描くのはどうなのか。
そもそも、怪獣が利用されただけというのが本当なのかも判らない。
見た感じ、いつものグロース製ロボ怪獣のような気がするんだが・・・。
なにやら、まとめ方に違和感を感じる。
それと、この間の御輿に潜む作戦といい、相変わらずグロースのやることは回りくどい。
サブタイトルに関しては、わざわざそんな言い回しにしなくても、と思ったが・・・、当時の日本を傍目から見たら、そんな表現で表したくなるような猛進ぶりだったのかもしれないなと思ったら、笑えないどころか穿ってるのかも、と少し感じてきた。
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- 2011/08/08(月) 06:37:04|
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