
ニュートン力学から、マクスウェルの電磁気学、アインシュタインの相対性理論、量子力学、超弦理論(ホログラフィー原理、マルチバース、人間原理まで)と、物理学の世界を、古典から最新まで一気に判った気にさせてくれる初心者向けの解説書です。
この本が優れているところは、初心者向けだけど、解説にごまかしがないというところでしょうか。
特に、一般相対論の部分はグングン判っていく感じがあって、これは他の解説書にはなかった感じ。
それ以降の部分でも、仮定の話が多い上に、頭で容易に想像出来かねる世界観(6次元がちっちゃく折り畳まれてたりしてね)頻出ですが、何とかついていけるよう出来ています。
ときおり挟まれる科学者のエピソードなども面白く、ブラックホール関係の話や、ホログラフィー原理、人間原理の話などは非常に興味深かったです。
と、いったところが本自体の率直な感想ですが(やや好意的なね)、
実は、新聞広告でチラッと見たときの購入目的は、ホントにそのものズバリ“重力”の最新情報を知ろうと思ったからなんですよね。
重力子の発見はいつ頃になるのか?とか、人類は重力を制御出来るようになるのか?とか、マジメに反重力とか研究してる人がいるのか?とか、そういうこと。
なもんで、読んでて相当肩透かし食らいました。
まぁ、そっち関係知りたきゃ『ムー』でも読んどけって話なんですが。
ただね、SFに出てくるような技術を現代科学で可能かっていう、逆からのアプローチで物理の世界を解説した『サイエンス・インポッシブル』(以前紹介しましたね)っていう良書もあって、解説してる内容もほぼこの本と同じなんでね、そういったことに触れてくれるかな?って読み進めましたが無駄でした。あたりまえですが。
まあ、そういったこととは別に、凄く勉強になったんで、読んで悪かったってことではないですけどね。
アマゾンのレビューで1点付けてる人が、「新しいことがぜんぜん書いてない」って言ってたのも判りますが。
正直8割ぐらい1度はどっかで読んでて「繰り返しだなぁ」って思ってましたから。
ついでに気になったことをあえて言うと、量子論の途中ぐらいから内容が複雑になりすぎて解説にページが足りてないんでしょう、「AをBするとCになります」ぐらいで、何でっていうところが段々少なくなってって、理解しづらくなってくる。解説したところで専門家だって容易に理解できないような世界なんでしょうがないっちゃ、しょうがないんですが、ちょこっと腑に落ちない感じ。あくまでごまかしではないんですが。
それと、人物名と理論が大量に出てくるんだから索引は欲しかった。(無いのはおかしいと思うぞ)
ちなみに、どこら辺が重力なの?ってお思いの方もおられるでしょうが・・・。
冒頭に書いた理論全部が重力に関係してます。
なんせ、物理では“重力は時間や空間の歪み”のことらしいんで。
スポンサーサイト
- 2013/01/05(土) 01:54:35|
- 本、コミック感想
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0