
『エヴァ』の元ネタが映画化されるというんで読んでみました。
映画はそんなでもないですが、原作は前から多少気にはなっていたんで、新訳版を待って購入。
で、結論から言うと、んん~~~っ、面白くなくはないけど、あまりピンと来なかった。 かな。
個人的な理由で、バガーたちとの戦いのシーン(登場シーン)を早く読みたかったんで、最後にちょこっとだったのが拍子抜けというか残念というか。(もちろん、シリーズ続編が大量にあるので、そちらにはたっぷりバガーも出てくるのかもしれませんが、入手困難みたいなんでね)
どこかの評論で、「物語が恣意的だ」ってあったけど(作者は敬虔なモルモン教信者)、なんとなくだけど、そういう部分も気になったのかな。
アメリカの、しかも軍隊経験者には凄く琴線に触れるものがあるらしいけど、やっぱり、覇権国家としての目線とキリスト教的許しの構造ありきの面白さなのかもしれないですね。 そこまで深く考えて読まなかったけど。
人殺しのエンダーがいい人かどうか、については、そりゃ倫理的には物語だとしてもお咎めなしはよくないと思うけど、ことSFにおいては特殊な状況設定だし、大人たちが隠蔽したうえ促してたりするし、そもそも大量殺人を行うリーダーを育ててるわけで、そんなこと言っちゃうと軍隊はいけないって話にまでなっちゃうんで、あんまり考えないで読んでました。もっとも、エンダー、実は、ピーターより怖いかもってちょっと思ってましたが・・・。
ストーリー的には、これがまた、何故か、序盤から、バトルスクール入ったときぐらいから、“ゲームと言っといて実は実戦”っていう話なんだろうなと、思い込むようにして判っていたんで、(読むまで、映画も原作の紹介も遠ざけて極力見ないようにしてきましたが)驚きというものがあまりなく。メイザー・ラッカムが生きて出てきたときに「ほぉ~」と思ったぐらい。もちろん、天才児エンダーの天才ぶりは、それなりに面白く読みましたけどね。
そもそも、話の焦点がエンダーの、なりたくないものになっていってしまう自分に対する葛藤と内的解決や、リーダー論みたいなところにあるので、ほかの描写が具体的じゃないんですよね。ゲームの内容もそうだけど、建物ひとつとってもイメージがおぼろげでよく判らない。これが最大のモヤモヤだったかも。
あと、SF的設定、ガジェットは、ちょっとご都合主義的だったかな。バガーの瞬間的意思疎通能力に近いことを科学で再現するって、よっぽどバガーより科学が進んでるんじゃないの?
バガーについての部分は、判らないことだらけで、なんなんだろうな、と。
読み始めたときは、バガー描けるかな、と思って読んでたけど、描写がなさ過ぎて、もし描いたらほぼ勝手な想像になっちゃうよな。外骨格を持ったアリに近い生き物が、進化の過程で内骨格になった、っていう設定は魅力的なんだけどね。
少なくとも、アリが人間風に直立してるっていうのはNGだろうなと思ったんだけど、最後の方に翅生えてる描写が僅かに出てくるんだよね。飛べんの?大きさは?まさか手のひらサイズじゃないよね。
まぁ、そんな感じの感想でした。
『死者の代弁者』はモヤった部分を補完してくれそうな予感はしたんですが、紹介読んだらいいかな、読まなくても。
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- 2014/02/26(水) 12:16:06|
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