
『TV Bros.』で連載してる岡村靖幸の対談コーナーが纏まった本です。
気になりつつも、たまに立ち読みするぐらいだったんですが、あるとき、元ゆらゆら帝国の坂本慎太郎との対談が興味深くて、続けて立ち読みしてたら何週たっても終わんないんで、何だこの対談は、というか、そもそも一回の連載が短いよ、纏まってから読みたいよ、と思ってたら出ました。
ゆらゆら帝国に関しては、怖いんで何となく避けてたんですが、うっかり阿波踊りのMV見ちゃったら少し魅入られちゃったみたいで、ソロ後は、よく知らなかったんですが、ネットの動画で、野口五郎の名曲「グッドラック」をカバーしてるのを見つけて、「何なんだこの人」と俄然興味が。 まだ、何も買ってませんが、ソロ後は楽曲的にも好みに近いんで、安くなったら買ってみようかなぁという気にも。
そういうことでもあって買ったんですが、もちろん岡村靖幸の純粋なファンでもあります。
どういったメンバーと対談したかは、画像の帯に書いてあるんで参照してもらうとして、けっこう満遍なく面白かったですね。 聞き手が岡村靖幸だというのと、ゲストにアクの強い人が多いんで、なんか、ちょっと普通じゃない感じに毎回なってます。 意外としつこいんだよね岡村ちゃん。 「寂しくないですか」とか執拗に聞いたりして。
面白かったのは、いとうせいこう、モーリー・ロバートソン、渡辺信一郎、ホドロフスキーとそれ以降のミュージシャンたち。
まあ、もの考えてて、経験豊富な人は大抵面白いですけどね、奇抜な質問にも打てば響くという感じで。
なかでも、モーリー・ロバートソンの半生は劇的過ぎて、そのまま『キャンディー』とかの6、70年代のロードムービーになりそうなくらい。 異常な経験が多くて、危険な会話も飛び出す寸前。
いとうせいこうは、この対談連載が出来るきっかけの対談をしたゲストで、やっぱり面白いんですが、いとうせいこうといえば、フジの深夜でモーリーとやってた『レボリューションNo.8』(1994年)。 仮想の国を作り、視聴者と一緒にその国を育てていくという情報バラエティで、ネットをいち早く取り入れて頑張ってたんですが、いかんせんネット黎明期だったんで視聴者の反応が鈍く、序盤からにっちもさっちも行かない感じで、モーリーの横のせいこうがイライラしっぱなし。 そのうち回が進むと文句ばっかり言って協力しなくなり、しまいに毎回モーリーに罵声を浴びせる展開で、モーリー笑顔で涙目。 このときのいとうせいこうは、ほんっとうに嫌な人で、その後10年間ぐらい嫌いになるほど。 自分の番組にゲストで呼んだこぶ平を客が引くほど泣かせて罵倒しつくしたトミーズ雅ぐらい嫌な人だったんだけど、何だったんだろうなあれ。
ホドロフスキーは(やっぱり怖いんで映画は見てませんが)、意外といえば、凄いまともな人で意外。 まぁ、突き抜けたまともな人という感じですが、言葉に含蓄があって、回答に逃げが一切ない。 岡村ちゃんも質問に核心を衝く鋭さがあるんですが、100どころか200ぐらいで返してきて真摯だなと。
後半のミュージシャン関係では、大貫妙子と坂本慎太郎が孤独が平気で、むしろ一人の時間が大切というのが信じられないらしく、寂しがりこじらせた結果がアレだったのか、と、何か納得。 しかし、「寂しさと対峙することも仕事」という大貫妙子の言葉はほんと名言。 表現者は突き詰めると孤独なのだ。
坂本慎太郎の回も凄く面白いんだけど、「ジャックスの『怖さ』って何ですか?」っていう小見出しがあって噴出す。 あれは怖いもんね。
あと、表紙がこないだのシングルと同じ久保ミツロウなんだけど、絵上手いしいいんだけどね。 いいんだけど、岡村のファンのパブリックイメージがアレになっちゃうのはねぇ、避けたい感じかねぇ・・・・・・。
それとねぇ、この人自分の好きなミュージシャンと好みが被ってるらしく、岡村と二本立てで並んで大好きな邦楽ミュージシャンである「カーネーション」の特集本にまで顔出すんだよね。 何なのかと、チラチラ顔出すなよと。 満面の笑みで「直江さん好きです」じゃねーよ。(いいんですけど)
と、いらぬ文句もいってますが、内容は面白いんで対談相手に興味がある人がいればぜひ。
でも、もうちょっとボリューム欲しいかなぁ。
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テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌
- 2015/06/06(土) 08:39:14|
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