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GEN'sログ(雑記)

イラスト&コミックのサイト「GENユニバース」の管理人GENのブログです。

ゲームウォーズ

gamewars.jpgスピルバーグによる映画化が決まったアメリカのSF小説に、日本のサブカルチャーが大量に出てくるというんで興味が湧いて読んでみました。

ちなみに、この小説は、推理ミステリーではないですが、ネタバレしないで読んだ方が絶対に面白いと思うので、興味があって、あらすじやレビューを読むのが今回初めて、という方は、この先を読まない方がお勧めです。


まず、読んだ感想ですが、久々に掛け値なしに凄く面白かった。
上下巻でけっこうな量ありますが、まっ、あっという間ですね。 構成もテンポもよくて、適度にドンデン返しと盛り上がりが散りばめられてるんで、まず飽きることはないです。 80年代が青春だったなら、なおのこと間違いなくどハマりするでしょうね。

ストーリーは、2041年、燃料不足から全世界が疲弊したころのアメリカが舞台。 仕事も住むところも限られ、まともな生活を実社会で送れるのはほんの一握り。 その他の人たちは、粗末なバラックで食料の配給(チケット)を受け、希望も夢も何もなく、ただ、ネットの仮想世界、“オアシス”に浸り現実の辛さを紛らわすのみ。

そう、この話の世界観は非常に暗く、読み始めた当初は、先の話が『悪童日記』みたいにならないか不安だった。

が、オアシスの開発者、ジェームズ・ハリデーが亡くなると、オアシス内に隠したイースターエッグを最初に見つけたものに全財産を与える、というトンでもないゲームがスタートし、一瞬にしてゴールドラッシュ巻き起こる。 そのうち、エッグ探しを専門にするガンターと呼ばれる者たちが大挙して現れ、チームを作り、コミュニティーが出来上がる。

要は、ハリデーの財産を受け継ぐためのヴァーチャルで行われるエッグ探しの物語で、主人公の若きガンター、パーシヴァルがエッグを手にするため、さまざまな難問、関門をクリアし、ライバルと争い共闘して進む、というわけ。

冒険の舞台は、完全にネットゲーム(オアシス)の世界なので、リアルな人間たちは、みな自室でバイザーとグローブや専用のスーツを着て閉じこもっている。 はじめは、この感じが虚しくて、なんか釈然としない感じもあったんだけど、それを逆手にとった展開がリアル世界でも始まるや、俄然面白くなる。 オアシスに浸り続ける行為が虚しいというのは、作者も感じているところだったよう。

そして、展開されるゲーム(内ゲーム)は、ビンテージゲーム(ボード、パソコン、家庭用)のプレイや、80年代の映画やドラマの再現。 しかも、オアシス自体は、RPGのスタイルで出来ており(様々なイベントがそこここにある)、アバターは、PvPゾーンで敵アバターやNPCを倒すことでポイントとアイテムやお金を入手でき、武器の装備を強化したり、魔法を使えたりと、学校など公共の施設もあったりするのに、かなりゲームライク。
しかも、話が進むと、アイテムにベータカプセルや、ガンダムなど各種巨大ロボットなどが出てきて、それを原作さながら操れたりし始めると、「その手があったか!!」と、設定の出来のよさに唸ることしきり。 何でも詰め込める設定をよくぞ考えたなと。

もちろん、ハリデーが80年代オタクという設定なので、話全体が80年代のサブカルチャーに溢れていて、知ってれば知ってるほど、頬が緩みっぱなし。 このときばかりは、パソコンゲーム以外ほとんど判ってしまう自分にイエスッ!

特に、日本物は下巻に集中していて、ウルトラマンが出現したときには、「うひゃ~~」ですよ。 強いの何の。(負けるけど)
それと、パーシヴァルが選んだロボがレオパルドン!! これは、さすがに判ってるな作者、と思った。
なんつっても最強の誉れ高いロボットだからね。 でも、知ってか知らずか、ソードビッカー使わないんだよな。(まあ、瞬殺だからね)

ゲームでは、カプコンとナムコの扱いがよくて、『パックマン』は完璧なゲームとして登場。 ストーリー上でも最重要。
ただ、日本製家庭用ゲームは何を配慮したのか、ほとんど出てこない。 語られることもあまりないのが逆に不自然。
映画ではどうするのか。 任天堂、セガ、ソニーが許せば出るのか?

ついでに、残念なことを挙げれば、日本人の描き方がまだまだ類型的で、それこそ80年代の名残りが感じられるのがどうにかならなかったのかねと。 あと、日本語版のタイトルもよくないよ。 『Ready Player One』でいいと思うんだけどな、意味もあるんだし。

それと、構成の部分だと、肝心のゲームの攻略になるとアッサリ終わっちゃうのがどうだったのか。 そこに達するまでの説明が長いからそれでいいのかもしれないけど、簡単にクリアしたように見えるのはどうなのか。
設定されてる関門の難しさも徐々にレベルアップしてたのかどうなのかも気になった。 それでいうと、パーシヴァル以外の人が簡単に追随できるのも、そうなの? って感じたな。 アルテミスも『ウォーゲーム』のセリフと演技、丸暗記してたの? って。
まあでも、こういうゲーム内容に関する部分は人によって感じ方違うと思うんで、それで面白くなくなるとかではないですが。

やっぱり、面白くなってくるのはリアルに物語が広がってからで、オグの登場は予見できたけどよかった。
エイチの正体もたぶん女性だろうとは思ったけど、ああだったとは思わなかった。

主人公がけっこう犯罪犯すのが気になったけど、どんなに現実が辛くても、やっぱり人間が生きる世界は、リアルな現実世界の方がいいんだ、っていうハリデーの人生をかけたメッセージが、お定まりのようだけどやっぱりいいと思える。
描かれる疲れきった未来が、半分ぐらい現実化してる今だからこそそう感じるね。 エンディングもいい。

映画がどうなるか楽しみだ。


(この小説は、ネットゲーム版『チョコレート工場の秘密』を狙ったものらしいけど、『チョコレート工場』の主人公も拾ったお金でチョコ買ってチケット当てるんだよね。 パーシヴァルが完全に清廉じゃないのは、やっぱりそれなぞってるのかね。 考えすぎ?)
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テーマ:読んだ本の感想等 - ジャンル:小説・文学

  1. 2016/05/09(月) 08:18:20|
  2. 本、コミック感想
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TOKYO MX 円谷劇場 「快獣ブースカ」 31話

大作が失明する話。

団塊世代の子供がいすぎて遊び場がない東京。
大作は、すずなりの回転遊具からはじき出されて、ドロに頭から突っ込み失明。
緊急手術は成功し、回復を約束されるも当分は見えない状態。
遊び場がもっとあれば、と憂いたブースカは、方々駆け回って掛け合うが相手にされず。
仕方なんで、自ら土地を探して遊園地「ブースカランド」を造ることを決意する。
と、同時期にブースカはヘソが生え変わる時期にきており、取れかけのヘソが心配で病院へ。
病院では、生まれてこの方笑ったことがないというジイさん(地主)が、
「笑いたければ、笑えるヘソと交換しなくてはならない」という奇説の診断を受け、ヘソ探し。
そんなおり、土地を物色していたブースカは、笑えないジイさんから、空き地とヘソを交換する提案を受ける。
ヘソが惜しいブースカは、悩んだ末、大作のため条件を受ける。 が、先に交渉していたヤクザがカンカン。
大作が退院の日、各遊園地から遊具を借りて完成したブースカランドに一同を招待するも、
ヤクザの妨害に遭い大騒動。 大乱闘の末、事なきを得て、大作に遊園地を無事披露できると大団円。


シッチャカメッチャカだが、内容が詰まっていて飽きない。
が、借りた遊具を返したあと土地をどうするのかとか、なんで笑うためにヘソなのかとか、
勢いで済ますわけには行かない謎の部分も多くある。

いくらなんでも冒頭の子供の数は多すぎる気がするが、事実、昔は子供は腐るほどいた。
これは、今の子供には実感できないところだろうと思う。

国会議事堂のシーンの省略はいい。
繰り返しになる部分は、万事、あのぐらいのテンポでいって欲しいところ。

テーマ:特撮ヒーロー - ジャンル:テレビ・ラジオ

  1. 2016/05/09(月) 02:33:42|
  2. MX円谷劇場
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