というわけで、ベガ、リデザイン6回目です。
前回は、角川アニメの大友版ベガを見ていきましたが、今回は、それ以前、それ以後のベガ。
つまりは、大友以外のベガを見ていこうと思います。
以前も書きましたが、『幻魔大戦』には、元々石ノ森章太郎のマンガ(原作は平井和正)があって、
そののち小説やアニメに発展していきました。
その作品の種類も多岐にわたるんですが、ベガが出てくる作品となると、
マンガ版、マンガ版を元にした
小説『幻魔大戦』(アニメの原作)、
小説『真幻魔大戦』、
小説『ハルマゲドンの少女』、
の4作品プラス映画の5作品(マンガ版の続編がウェブコミックで進行中で、それを入れれば6作品)。
なんですが、無印『幻魔』の小説が何度も再版されていて、そのたびに挿絵を担当している人が違うので、
少ないようでけっこう多いことになります。
それでは、私が知った順に見ていきましょう。
まずは、角川版、小説『幻魔大戦』の生頼範義バージョンから。

小説の1、2、3巻と10巻の表紙イラストからです。
もちろん、褐色の刻み目のいっぱい入った人がそうです。
初めて見たときは小説を未読だったので、内容との兼ね合いは判らなかったんですが、
大友版を見た後だったので、前時代的というよりも、線を多数引っ張って、印象優先というか、
デザインが固定されていない感じが嫌でした。 悪く言うと、雰囲気でごまかしてるぐらいに思ってました。
が・・・・・・、小説や、マンガ版を読んで、ようやく最近になってあることに気付きショックを受けます。
ちなみに、緑色のものが2巻の表紙イラストの原画なんですが、小説の表紙には、
銃の先端、目、首回りにある赤い部分がありません。 どうも後から加筆したみたいですね。
2枚目。

SFアドベンチャー増刊『幻魔宇宙』の表紙です。
むう、カッコいい。
映画『ザ・キープ』の怪物モラサール(デザインはエンキ・ビラル)みたいですが、
このまま立体に起こしても、そのまま映画とかに出せそうです。
3枚目。

生頼氏は、表紙以外のモノクロイラストも担当していますが、これは、唯一ネットで見つけた『真幻魔』のもの。
徳間版の1巻あたりのものです。 『真』は、別次元の話なので、正確には同じベガではありません。
そのへん考えて描いているのかは不明ですが、頭以外、微妙に違いますね。 なんかツルッとしてます。
次は、マンガ版。

まあ、石森キャラですよね。 良くも悪くも。
パイナップルみたいな頭が『七色仮面』みたいですが、ラインの感じとかモダンな方ですよね。
作中では、ベルトのバックルなんかからいろんなアタッチメントを取り出して攻撃してました。
とにかく、武器がとてつもなく強力で、敵を別次元に飛ばしたりしてましたが、
その敵の幻魔が同様に超強力な連中だったんで意外と効果薄でした。
2枚目。

ガレージキットからですが、色の判るものはこれのみ。
といっても、コミックの1巻表紙からとっていて、これは、たぶん青だけで表現したイラストだからこうなっただけのような気が。

どうなんですかね。
(あっ、表紙の青ベガ、メットにバイザー付いてるらしいですが、頭のトサカも3本平行だ。 こっちの方がカッコいいな)
次は、アスペクト版『幻魔大戦』、寺田克也バージョンです。

もうね、今回この企画をやるにあたり、いちばん見たかったバージョンで、調べに調べて、買いに買いました。
まず、ネットで確認できる寺田版ベガが1巻の表紙しかなく、そんなことはなかろうと、調べてもどうもない。
ただ、のちのインタビューでも、大友氏や生頼氏の仕事を引き継げるなら、と二つ返事で引き受けてるんで、
この絶好の機会にベガをちゃんとデザインしないなんてありえんだろう、別個にデザイン画ならあるのではと、
幻魔のイラストが載っているイラスト集を購入。 結果、1巻以外のベガなし。
そんなバカなと、買いたくはなかったんだけど、もしかしたらモノクロの挿絵があるかもとアスペクト版の1巻も購入。
(業者がどうしても手放したかったのか、何故か、アマの中古だったにもかかわらず送料込みで100円)
もちろん、元々挿絵なんかなかったんで、いくらめくっても出て来やしませんでしたが。
結局、寺田版ベガはこれしかないようで・・・・・・、というか、全体として幻魔のイラストは気が入ってない感じ。
読んだら宗教小説だったんで嫌んなっちゃったのか。 半分しか出なかったし。
画像は、いいものがなかったんで、せっかく買ったし、小説の裏表紙からスキャンしました。
なんなんでしょうね。 ほかに考えられないんでベガなんでしょうけど、形もハッキリ判りません。
しいていえば、大友版と生頼版の折衷といったところでしょうか。
期待してただけにガッカリ感が凄い。 デザインすんのが嫌だったんでしょうか。
次は、集英社版『(決定版)幻魔大戦』

勝連義也(イラストでは“勝連”名義)という人の絵で、調べると、沖縄で日本画を描いているのが判りますが、
マンガ的なイラストを描いていたのを公表していないのか、詳細は不明。
004のようで、異星人感はあまりないですね。
原作のベガに髪の毛の描写はなかったような・・・・・・。
次は、角川版『真幻魔大戦』の山田章博バージョン。

『真』の世界では、飛鳥時代に落ち込んだベガは、修験道の開祖、役小角(えんのおずぬ)に助けられると、
鋼鬼と名付けられ、式神的な使いとされます。
なかなか個性的で生頼バージョン以来のやる気を感じるベガですね。
独特なバックの装飾がどこまでベガの身体なのか判りませんが、ちょっとエイリアン風でもあります。
よくみると、生頼版を踏襲しているのが判ります。
ほんとだったら、鋼鬼なんで、鉄でできた鬼みたいなイメージなんでしょうが。
最後は、最新のマンガの続編。

クラブサンデーで連載中の『幻魔大戦 Rebirth』から、早瀬マサトバージョンです。
はじめ、続編だと聞いて、デザインは変わらないのかと思ってたんですが、よく見たら違ってました。
頭の脇が張り出して、胸にパネルが付きました。 黒いラインはパイプに。
全体的に、大友版と石森版の折衷といった感じですが、頭だけ見ると『鋼鉄ジーグ』ですね。
これ見ると、マンガ版のベガが青いのは正解なのかな。
といった感じで、大友版以外のベガを見てきましたが、生頼氏バージョンが傑出してますね。
どう凄いのかは、追々説明していきたいと思います。
ちなみに、『ハルマゲドンの少女』にも出てくるらしいですが、調べてもイラストには出くわしませんでした。
ウィキにも、「ルナに失望し、袂を分かつ」しか書いてないんで、たぶんほとんど出てこないんでしょう。
で、次回から実作業ですが(といっても、小説の中でどう表現されているかの分析や、方向性の決定などがあるので、
いきなり描き始めるわけではありませんが)、10年前にもすでにチョロチョロ描いていたスケッチがあるので、
それらをアップしていきたいと思います。 数が多かったら、数回にわたるかも。
それでは、また次回。
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テーマ:自作イラスト(二次創作) - ジャンル:アニメ・コミック
- 2016/06/09(木) 07:29:46|
- ベガ(幻魔) リデザイン
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