
タツミムックの『アニソン大全』をアマゾンで買ったときにチラッと見て気になって、
レビュー読んだら、面白いという人と同じくらい難しすぎて判らんと怒ってる人が。(笑)
どうやら、コード進行をメインに理論解析をしてるみたいで、
いっぱい載ってるからと懐かしいだけで買った人は、専門書じゃないか!!
と、まったく理解できなかった模様。
まあ、紹介文よく読めば、ある程度理論解説の本になってるって判るんですが、
まさか、ここまでって感じだったんでしょう。(笑)
なんせ、冒頭に用語解説があるんですが、コードネームの読み方とかそんなんじゃなくて、
インターバルから始まって、サークル・オブ・フィフスを含むキー、スケールに、コード理論等々。
数ページですが、これを解説するだけで本が出てるような内容がみっちり。
(アマゾンのレビューに恨み節が色々書かれてるんで、読むと怒り具合が判ります)
で、これは読まねば、と買ってみたんですが、
もちろん、曲聴いただけで調性が判るわけじゃないんで、解説を瞬時に理解するってわけにはいきませんが、
理論も含めて(完全な理解じゃなかったとしても)面白かったですよ。
レビューの中には熱さが足りない的なことも書かれてましたがそんなことないです。
著者はベーシストなんで、ベース関係は特に力が入ってるのが判るし、
とにかく、この400曲近い分析はその量だけでどれだけ大変だったか判ろうってもんです。
(参考文献も2ページにわたって載ってます)
それと、この本の面白い所は、アニメ特撮の曲を使ってコード分析をしているところだけじゃなく、
実は、テレビ音楽(劇伴、主題歌)における裏方の素性をあらわにしようとしているところで、
その情報量(注釈)の多さは、以前読んだ『ニッポンの編曲家』の足りない分野を補完するほど。
特に、スタジオミュージシャンの情報はかなり詳しいです。
それに伴うトリビア(知らないからトリビアに感じるだけかもしれませんが)も数多。
*詳細な内容を知りたい方は、
ディスクユニオン(出版元です)のHPが詳しいです。
ここからは、あまりの量に付箋を付けつつ読んだんで、その部分をピックアップ。
まずは、渡辺宙明氏の項目で『キカイダー』はチェイスだ、という指摘の次の『01』の注釈の子門真人。
知らなかったけど、子門真人って作曲家でもあったんですね。
1曲、2曲じゃなくてけっこう書いてますが、有名なところでは、『Dr.スランプ』のED。意外、ビックリ。
次は、有名ですが、『アクマイザー3』の項のベーシスト、寺川正興氏のエレベーター奏法。
知らないという人は是非聴いてください。全編もんの凄い音数のベースですから。ノリノリです。
次は、『スパイダーマン』。
実はサントラ、『エキセントリック サウンド オブ スパイダーマン』が、
パーカッショニスト必聴の重要パーカッションアルバムなんだとか。これも知らなかった。
次は、菊地俊輔氏の項目の『ドラえもん』で、初代OPが実は変則的な作りという話。
詞先だとメロや構成がいびつになりがちだけど、言われてみるとかなり変わってる。
ちなみに、小曾根真バージョンは確かに凄かった。
次は、渡辺岳夫氏の項目で『キャンディ・キャンディ』。
作曲、編曲、演奏、コーラス、歌と、べた褒め。日本のポピュラーミュージックとしてもトップクラスだと。
しかも、それを、「100万枚売るよ!!」と宣言して、決め打ちでほんとに実現させるナベタケ先生。さすが。
次は、冨田勲の項目の『みんなのせかい』。
冨田勲でも最初期のモーグ使用楽曲。とにかくいい曲。ネットで聴けるんで是非。
次は、『マッハゴー・ゴー・ゴー』の注釈の吉田竜夫。何と作曲までしていたとは。
(『マッハ』ではなく、歌入り絵本等、動揺テイストの物)
次は、三沢郷氏。
『デビルマン』に『ジャングル黒べえ』、『エースをねらえ』に『ミクロイドS』に『流星人間ゾーン』。
独特なクセのある感じがかなり好きかも。
次は、『妖怪人間ベム』。なんと、この曲、エレキベースとウッドベースが共存してる!!
次は、『サザエさん』。筒美京平だけに、音だけ聴くとかなり黒い。(らしい/笑)
OPラスト、「今日もいい天気~」のあと、急に音が外れたようになる長年の謎は、
どうやら、推測では、2種類のテイクの違うテープ編集によるもので、
昔は、機材に誤差が出ることがあったため、ピッチが下がってこもり気味になったんだろうとのこと。
次は、『おんぶおばけ』。これは、かなりブラックかつアバンギャルド。
なにゆえに『おんぶおばけ』をこんなに黒くしたかね。
次は、『レインボーマン』の「死ね死ね団のテーマ」。
これは、解説の通りファンクなんですが、指摘されてなかったんでフォロー。
この曲、ちゃんとスタジオでレコーディングされてるはずなのに、
バックと歌がどんどんズレていくという世にもまれな曲。
バックがノリノリでどんどんテンポが上がっちゃう。これも是非聴いて欲しい。
最後は、『キテレツ大百科』。最初、OPが細野晴臣だと見て仰天!!
そしたら、レギュラー放送のときじゃなくて、その前のSP版のOPだった。
ちなみに、その時の声優が地味に違っていて、トンガリはなんと『ウルトラマンレオ』の真夏竜!!
ほか、『Gu-Guガンモ』の主題歌を歌っていたのが松原みきだったとか、
『ドラゴンボール』のED、『エスパー魔美』の主題歌、
『おもいっきり探偵団 覇悪怒組』の主題歌を歌ってるのが同じ人とか、まだまだあります。
とりあえず、ユニオンのHPで内容確認して、読めそうだったら買いです。
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テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌
- 2019/10/25(金) 11:13:37|
- 作曲、音楽
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