北斗が乱心してオフィス街でタックガンを乱射する話。
主な登場人物
「北斗星司」 男側主人公。南が早退したので今は1人でAに変身。池田鉄洋的オーバー演技傾向あり。常に怒られ役。
「南 夕子」 女側主人公。ゲッセイジンだったため早退。
「竜 五郎」 TAC隊長。必殺技「一週間の謹慎」。とにかく様子を見る男。
「山中一郎」 射撃の名手。何故か2丁の両手撃ちが基本。直情型のキ印野郎。
「吉村公三」 宇宙生物の権威。今のところ全くの空気。
「今野 勉」 ロケット工学のオーソリティー。デブキャラ。人の失敗をネタに笑いを取るのが趣味。光の速さで心が折れる男。
「美川のり子」通信、副官担当。爆弾魔。エロ担当。1回死亡後なにげなく復活。
「梶 洋一」 兵器開発主任。新興宗教の教祖のような制服着用。独特の梶理論を展開。ここの所不在。
冒頭、独特の宇宙音をバックに北斗と山中がスペースにて宇宙パトロール。
北斗は寝てしまっており、ベロクロン(と生き残りのヤプール)に復讐される夢を見てうなされる。
隣で操縦する山中は怒るどころか「もうちょっと寝てろよ」と気にかけるやさしさをみせる。人間、変われば変わるもの。まるで旧知の友人のようだが、それは今だけ。
北斗は突然疼きだした虫歯を気にしつつ、かなりの距離を帰還。
本部に戻ると即地上パトロール任務が待っており歯医者にも行けない北斗。
労働基準法違反のこんなブラック会社では虫歯もさぞ悪化することだろう。
薬で抑えつつパンサーで出る北斗、隊長も虫歯と聞いて遅ればせながら通信で治療を命ずる。
都心のオフィス街に「Q歯科医院」なるやや怪しげな歯医者をみつけて駆け込む北斗。
古い重厚な造りのビルには何故か基礎部分に「コロンビヤ→」の文字。
これまた古いアコーディオン・シャッターのエレベーターで上階にあがると、無人で廃墟のようなくねる廊下。
木製のドアーのガラス部分には似つかわしくない新しい「Q歯科医院」のプレート。
無表情な声音に誘われて中へ入ると、真っ白で清潔そうな室内の中心に治療用の椅子がひとつ。
北斗が勝手に座り「痛みを止めて欲しい」と訴えると、これまた無表情な美人女医が上半身白衣、下半身ミニスカートという出で立ちで現れ、思わせぶりな態度で手には何故かペインティングナイフ。
が、何をするでもなく、ただ恐ろしげな表情と声で恐ろしげに治療をする。
北斗、痛み止めを詰めてもらい、恐ろしくデカいキャップを被せてもらうと、金も払わず退散。
外に出たころには痛みは消えており、北斗、嬉しさから大ジャンプ。「ヒャッホイ!!」
もちろん、怪しげな治療を受けたわけで「ヒャッホイ!!」なわけもなく、運転し始めてすぐに意識が朦朧とし始める北斗。
車を寄せると外には何とベロクロンが。
今朝の夢が正夢に・・・。
北斗、即本部に連絡を入れ、ひとり応戦し始める。
逃惑う市民に狂ったように避難を指示しながらタックガンを乱射する北斗、孤軍奮闘である。
一方、本部では超獣の影も形もないことに困惑する隊員たち。
レーダーはおろか通報も一件たりともなく、現場をモニターしても何も映らない・・・。
北斗は次第に混乱をきたしショッカーメイクの女医のイメージが頭から離れなくなる。
我に返ると辺りには機動隊員がジュラルミンの盾を持ってぐるりと囲んでおり、北斗に銃を捨てるよう説得中。
超獣出現という緊急事態に「どっちの味方だ!!」と喚く北斗。
埒が明かないと見るとタックガンで威嚇し始める北斗だが、
その瞬間、隊長によって銃を撃ち落され、事態を飲み込み始める。「しっかりしろっ!!北斗っ」(by山中)
実際には狂ったように叫んでいた北斗はそのとき本当に錯乱しており、逃げていた市民は超獣からではなくタックガンを乱射する北斗からであったのだ。
北斗の眉間に汗が滲むアップでCMへ。
CM開け、本部での山中の説教からスタート。「被害者が出なかったからいいようなものの、謝って済む問題じゃない!!」
実にもっともな説教に北斗も頭を下げるばかり。
隊長も久々に必殺技の「謹慎」プラス虫歯の治療を命ずる。
北斗が銃を置いて出て行くとみなが集まりコソコソ密談。「北斗の精神鑑定の報告はどうなってる?」
こういうとき隊長は口では何も言わないが、全く信用していないことが常。
結果は白であったが、ノイローゼやあれやこれや寄ってたかって原因探し。
結局、「Q歯科医院」に行き着き調査することで落ち着く。
同時に北斗の方も虫歯の治療に原因をみつけ、独自の調査を決行。
その後、本部に「Q歯科医院」が無いとの報告が入り、北斗も居ないことが判るのだが、本部に入った通信を流すスピーカーが何故か「万能蒸し器」。鍋の大きさによって形を自在に変形させられる花びらのような形のあれ。
更に直後、今度は本当にベロクロンが出現との報が入り、一同呆然。
北斗は歯医者を探すため都内を散策中。
目の前に超獣が現れても「これは幻覚だ・・・、もう、騙されないぞ」と、強い意志で無視を決め込む。
珍しく過去のデータを復習してから出撃するTAC。
北斗は落とし入れようとする者を挑発するように、超獣に向かって「俺はここに居るぞ!!」と瓦礫の中をズンズン進んでいくが、現実である超獣がミサイルを吐くと当たり前のように爆風で吹っ飛んでしまう。「うわぁぁっ!!」
TACが健闘したんだかしないんだかの攻撃ののち全員撃ち落され、北斗が起きると歯のキャップが取れている事に気付く。
迫る超獣に追い回されるイメージカットが「長いだろ」と思ったころ変身。
ボクシングだの相撲だの何でするのかわからない御ふざけが続き、分割画面などの謎演出があって、ボール(広告塔の一部)の投げあいから、へし折った角を腹にズブリと刺してフィニッシュ。
のち、北斗が「Q歯科医院」に乗り込み、女医の正体をヤプールの生き残りと見破り、「勝った者は常に負けた者たちの恨みと怨念を背負って生き続けて行くのだ」「それが、戦って生き残っていく者の定めだ!!」と何故かお遍路チックな白装束に衣装チェンジした女医に穿ったことを聞かされると、銃殺。
本部に歯科医院の報告を入れている最中に部屋が廃墟に変わり、報告を「歯医者はあったが・・・(美川が心配になるほどの沈黙)・・・そして・・、消えてなくなりました」と変更。
同時に不安げなBGMが入り、パンサーで走る北斗の渋い横顔でEND。
書いているうちに「面白い」でいいんだろうな、と思い直した1本。
もちろん戦闘シーンが無ければ・・・、だが。
とにかく北斗の置かれたシチュエーションが秀逸でいい。
歯科医院のモダンさや演出、都会的な舞台といい、全体的にセブンを思い出させる。
カメラワークも極端なアップなど実相時的。
ほか、ミニチュアが室内まで造られており非常に出来がいい。
キグルミが使い回しの分、他の部分に予算が回ったのか。
イメージカットの多さ、長さはいただけない。
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- 2010/05/24(月) 06:43:42|
- MX円谷劇場
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| コメント:2
期待通り、的確な突っ込みに笑わせていただきました。
相変わらず円谷の二代目着ぐるみの出来は微妙ですね。
回想でも出た初代ベロクロンは造型がサンゴっぽいし、フォルムも実に力強くて良い感じだったのですが。
さっきググッたら二代目はマッハレスの使いまわしなんですね。
目の色も赤じゃ無いし。
なんか、リオのカーニバルのオネエサンみたいな枝がしょぼかったです。
話自体は薄ら怖かったのが意外で、僕も「面白い」と感じました。
ラストの余韻とか、僕の好きな「プリズ魔」とかに通じるし。
Q歯科医院は「蒸発都市」の真理アンヌの占い館を思い出しました。
調子に乗って長文すみませんでした。
- 2010/05/24(月) 12:45:26 |
- URL |
- ihsotih #2B3L1McM
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うわっ、あのベロクロン2代目だったのか・・・、どうりで印象が違うと思った・・・・。
てっきり前のキグルミ使ってるのだとばっかり・・・。
しかも、実は違う超獣だけど使い回してたってミラクルのオマケつき・・・。
“万能蒸し器”とかは必死に調べますが、キグルミの細部なんかはうろ覚えで書いてるんで、適当なこと言ってたらどんどん指摘して下さいませ。
- 2010/05/25(火) 05:11:55 |
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- GEN #-
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