
ジェイムズ・P・ ホーガンの「星を継ぐもの」から始まる“巨人たちの星シリーズ”の3巻目、「巨人たちの星」です。
結構分厚い本なんで、やっと読み終えましたが・・・、「なるほどね~、こういう着地の仕方ですか」って感じですね。(笑)
予想とはだいぶかけ離れた感じでしたが、本としては面白く読みました。
月の裏での国連内の攻防とか、スヴェレンセンの屋敷の急襲場面とか、なかなかスリリングでしたし、ジェブレン人の地球での暗躍もシリーズとして考えなければそれも面白かったです。
ただ、ここまで俗っぽい侵略SFみたいな、歴史を陰で操る陰謀説SFみたいな話になるとは思いませんでしたね。
パーセプトロンなんかのガジェットはさすがと思いましたが、結局「闘争心や武力を簡単に捨ててはいけない」みたいな結論に至るのは、せっかく巨人たちのやさしさを2巻にわたって書いてきたのにもったいないような・・・。それも、冷戦下の米ソの関係が続いてる未来の話でアメリカ側に立ってのことですからね。
まっ、戦闘しそうでしなかった、しないで解決できたのはよかったと思いますけど。
やっぱり、問題はジェブレンを出したことでしょうね。(出さなきゃ話が進みませんが)
途端に話がややこしくなったし、最終的にトンでもないパラドックスに陥ることにもなりましたし・・・。(正直、アレは無いと思う)
個人的にはね、チャーリーとコリエルの話から始まったんだから2人の話で終わって欲しかったですよ。
この長いシリーズを、小難しい表現電子辞書で引き引き読んできた理由もコリエルのその後が知りたかったからなんでね。
もっと言えばコリエルの謎。
コリエルって何者?なぜルナリアンであるチャーリーとガニメアンであるコリエルが一緒に居るの?
地球で言えば人類と恐竜みたいな関係なのにどうして・・・???
ってところが是非知りたかった。
で、ありましたよ確かにこの本の中ほどに、しかも映像付きで。
読みながらハントとダンチェッカーが「コリエルは巨人だったのか!!」とさぞ驚くだろうとワクワクしてましたが、コリエルたちが地球に無事渡ったことを喜ぶばかりで映像でコリエル見せられてるのに驚く気配は全く無し。
正直、混乱しました。
どうなっているのか、と。
多分、自分に読み落としがあるか、解釈の間違いがあるのだろうと思いましたが、ダメもとでネットで検索したら出るわ出るわ。(笑)
しかも、衝撃の答えも出る始末。
なな、なんと、コリエルはルナリアンだというじゃないですか。
じゃっ、巨人巨人表現されてたのはいったい・・・、と、思ったら、それは“ルナリアンの大柄な人”という意味だとか・・・。
そんなアホな・・・。
でも、確かに一箇所「セリオスの巨人」という表現があって、ルナリアンの巨人(大柄な人)と解釈できるんですよね。
これで、スッキリも納得もしましたが・・・・。
はたして、このミスリードに何の意味があったのか・・・・・。
ただ、このシリーズは3部作ですが10年後に書かれた更なる続編があって、それも入手済みなんで読んだら何か解決するようなことが書いてあるかも判らないんで、まだ意味がないとは決め付けられないですけどね。
2巻目ラストのジャイスターからの通信も都合のいいタイミングで偶然起こったことではなかったですし。
でもね、3部作を楽しく読んだ人でも「4作目は蛇足」と書いているのを目にしてるんでね。
不安はいっぱいです。
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- 2010/11/18(木) 06:11:20|
- 本、コミック感想
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| コメント:2
本当コリエルに関して大きな謎があるんだろう…と初作から読んできたのに残念です
- 2018/12/29(土) 21:02:12 |
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コメントありがとうございます。
私も、面白い話だっただけに、知ったときは非常に残念に思いましたね。
まあ、読者の期待に100%応えるのは、それだけ難しいことなんだろうとは思いますが。
- 2018/12/30(日) 01:25:28 |
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