少年がパンツ一丁で逃惑う話。
主な登場人物
「岬 大介(ミサキー)」(誠直也)21歳。元地質考古学研究室勤務。実はアバン大陸人で地底人。マグマエネルギーでファイヤーマンに変身。燃える男。意外に平山浩行似。
「海野(うんの)軍八」(睦五郎)40歳。SAF隊長。海洋学と生物学の権威。元海洋開発センター勤務。リーダーの才覚あり。「たけしくん、ハイ!」でたけしの幼少期を演じた小磯勝弥似。躊躇しない男。
「水島三郎」(岸田森)28歳。SAF副隊長。宇宙工学博士。元宇宙開発センター研究室所長。沈着冷静でそそっかしい変わり者。小ボケ多し。
「千葉 太」(平泉征)25歳。工学博士。シーマリン号設計者。肉体派。岬の友達的存在。完全なお笑い担当。アフロを被るとアダモステ似。
「葉山マリ子」(栗原啓子)20歳。プログラマー。海野の助手。超記憶力の持ち主、らしいが今のところ素振りもなし。セリフは棒。
冒頭、脈絡無く例の如くレッドキング的ボディーに一本角を生やした怪獣が東京都心で大暴れ。
怪獣がいつもと違うところといえば腹に第二の顔(角は二本)があるところ。つまりは「トータル・リコール」のクワトー。
収納可能な第二の腕一対もあり、なかなかゲスで醜怪なデザイン。
頭と腹でケンカしつつ、動かせない腹の顔を二本の角を掴んで無理やり動かしたりして岬のマリンゴンを撃墜。
放り出された岬はファイヤーマンになり激闘するも、ジャンプキックで吹っ飛ばすとクワトー怪獣は煙幕と共に消えてしまう。
シーンは変わり埠頭の材木置き場に倒れる銀色スーツにゴーグルの2人へ。
薄い緑とオレンジのラインが走った銀の上下を着た凸凹コンビは、1人はスキンヘッドの大入道。もう1人はなまずヒゲのミゼット。腰にコンセント状の機器を付け、見た目は一見して宇宙人風のそれ。
実はさっきのクワトー怪獣の分離した状態がこの2人であり、ファイヤーマンのキックにより結合装置を何処かに蹴り飛ばされてしまって困っているのであった。
その装置が無ければ、原子力研究所を襲う計画も、宇宙へ帰ることも叶わない。
ひとしきり身体の特徴を使ってのコメディー演技が披露されシーンはSAFへ。
宇宙人が出す怪電波の情報を報告する海野の後を、同じ腕組みで付いて来てぶつかり海野に睨まれる水島。相変わらずの目立たぬ小ボケを入れ込む。
怪獣がまだ生きていると踏んだSAFはパトロールへ。
銀スーツにゴーグルのスタイルのまま団地の公園をフラつくインベーダー。
2人をみつけ「あれ~?」っと声を発する少年が妙な可愛らしさを発揮。
格好が目立つと感じたインベーダーはクリーニング屋のワゴンから山吹色のつなぎを失敬。宇宙人には見えなくなったが今度は囚人風になってしまい、目立つことには大差がない感じ。
河川敷でサッカーを練習する子供の集団。リーダー各の少年こそジャージを着ているが、ユニフォームが無いらしく服装はマチマチ。中にはランニングの子も。
子供たちはユニフォームを買うため僅かながら缶に積み立てをしており、その缶をリーダーの助言の下秘密の場所に隠しにいくこととなる。
道中、子供たちはインベーダーと出会いジェスチャーで結合装置の場所を訊かれるが、そんな内容が子供に身振りだけで伝わるはずもなく無視する。
秘密の場所に着くとそこはインベーダーが倒れていた材木置き場。
陰に覆いで隠していた秘密の隠し場所とはステンレスに輝く小型の耐火金庫状の物体で、リーダー少年がハモニカを吹くと自動で分厚い扉が観音開きで御開帳。中には間口がA4ほどの何かが収まっていたスペースがあり、そこに小銭缶を置くと自動で扉は閉まる。
覆いをして子供たちが帰ろうとするとパトロール中の岬と千葉がひょっこり。
「何をしてんだ、きみたちは!」と岬がキツメに訪ねると、リーダー少年は間髪容れず「ボールが入っちゃったんで取りに来たんです」と屈託なく返事。その反応の速さと気転の利き方に、頭の良さ以上に将来の犯罪者を見る思い。
子供たちは追い払われる。
珍道中のインベーダーは警官に捕まり絞られるが、大男が両手の人差し指を立てると警官たちはのけぞり、次の瞬間備品を残しパンツ一丁になってしまう。
材木置き場に戻ったインベーダーは本部からの司令を再度受け取り、原子力研究所を探すことになるが、「疲れた」と嫌がる大男とミゼットのあいだでケンカとなる。闘牛の真似ごとに発展すると突っ込んだ先に偶然結合装置を発見する。が、中には小銭缶。いぶかるインベーダーの顔でCMへ。
CM開け、河川敷で例のリーダー少年が謎の仏塔のような機械を駆使して子供の宿題を10円で引き受けている。
仏塔は一種のコンピュータで、持っていると考えるだけで何でも解けるのだという。
再び岬と千葉が現れ、仏塔の入手先を問いただすとリーダーは顔色を変え、子供を引き連れて行ってしまう。
岬たちを振り切り、材木置き場へ着くとあったはずの缶が無い。
ハモニカを持っているのが1人のこと、言いだしっぺなこと、誰も情報を洩らしていないこと、などから白い目で見られ始めるリーダー。もはや盗んだと決め付けられ、「その金で仏塔買ったな」と因縁つけられる始末。何でも判っちゃう仏塔、3千円なり。
揉み合いになり弁償を迫られるリーダー。いわれのない疑いに太ったミッチー(及川光博)のような顔を歪める。
ミッチーリーダーが材木の上でやさぐれたハモニカを吹き散らしていると銭缶を持ったインベーダー登場。
仏塔と交換ということになるが、大男インベーダーには交換して済む問題ではなかったらしく、散々いたぶられてしまう。
ミゼットは結合準備に金庫から腰のコンセントにプラグを刺しエネルギー充填。ぶるるっと震える。
ミッチーリーダー足に絡みつき必死の思いで缶を奪取。脱兎の如く逃げた瞬間、大男の指立てに遭い着地の時にはパンツ一丁に。
インベーダーは結合し、クワトー怪獣となり大暴れ開始。
パンツだけの姿で逃惑い、火に炙られながらなお缶を探すミッチーリーダー。
缶を見つけ痩身(顔が丸いだけで太ってはいない)を傷だらけにして倒れているところを千葉に保護され、岬は単身クワトー食い止めに走る。
岬が「ビッグ・ファイヤー!!」の掛け声の下変身し、上下で繋がっていると思しき舌を引っぱりまわし攻撃。
最後はフラッシュでフィニッシュ。
と、思ったら爆煙の中から目のある巨大サッカーボールが出現。サイズはちょうどファイヤーマンが蹴りやすい大きさ。
ギョッと二度見するファイヤーマンだったが、おもむろにセッティングすると、数歩下がってから満身の力で大キック。割とゆっくり飛んだと思ったら宙で大爆破の木っ端になって今度こそフィニッシュ。
SAFから子供たちにユニフォームが送られ、最終回かと思うようなタップリとした余韻と大仰なナレーションがあり、子供のサッカーに混じった岬が星飛雄馬ばりに高々と脚を蹴り上げたところでEND。
コメディータッチの作品としては結構面白かったと思う。
こういうナンセンスな小悪党が活躍する話がファイヤーマンにあるとは思わなかったが。
まぁ、訳が判らないところを挙げていけば、服が脱げる超能力とか、ラストのサッカーボールとか色々あるが、うるさく言ってもしょうがないか。
ただ、ラスト子供たちとリーダーの和解シーンはあった方がよかったのでは。
相変わらず、ガジェット関係のデザイン、造型がいい。
今回は金庫も仏塔もいい感じに出来ていた。
大男のインベーダーは何気に耳や首を奇妙に動かしてみたりして、身体に似合わず器用なところを見せていた。
ラストの岬の蹴りは脚の上がり方がゴイス。
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- 2010/11/29(月) 06:46:08|
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