岬がトカゲを隙間に落とす話。
主な登場人物
「岬 大介(ミサキー)」(誠直也)21歳。元地質考古学研究室勤務。実はアバン大陸人で地底人。マグマエネルギーでファイヤーマンに変身。燃える男。意外に平山浩行似。
「海野(うんの)軍八」(睦五郎)40歳。SAF隊長。海洋学と生物学の権威。元海洋開発センター勤務。リーダーの才覚あり。「たけしくん、ハイ!」でたけしの幼少期を演じた小磯勝弥似。躊躇しない男。
「水島三郎」(岸田森)28歳。SAF副隊長。宇宙工学博士。元宇宙開発センター研究室所長。沈着冷静でそそっかしい変わり者。小ボケ多し。
「千葉 太」(平泉征)25歳。工学博士。シーマリン号設計者。肉体派。岬の友達的存在。完全なお笑い担当。アフロを被るとアダモステ似。
「葉山マリ子」(栗原啓子)20歳。プログラマー。海野の助手。超記憶力の持ち主、らしいが今のところ素振りもなし。セリフは棒。
田舎の農村にグドン的な怪獣が出現しSAFが既に到着している状態からスタート。
草むらにヒョッコリ全裸の少年が現れ、カカシのタートルネックと麦わらを失敬。
素肌にダブダブのシャツひとつで荒縄を腰に撒く姿は、さしずめ腐女子の描いた「オズの魔法使い」のカカシのショタ属性改変キャラ。
少女ならなおさらだが少年でもちょっと艶かしい。
少年は空色がマダラに付いた球体を抱え、フラフラと彷徨。
藁葺きの水車小屋が見える池畔ではSAFが村人に歓迎の昼食接待。
未舗装の土の道にムシロを敷いた上でぎりめしを勧められる。
岬はマリンカーのフロントに乗ってあぐらで千葉と談笑。
水車小屋の陰からはカカシ少年が恨めしそうに岬たちを見つめ、にぎりめしに舌舐めずり。
少年が我慢できないとばかりに両手を差し出し唸ると、海苔とゆかりの特大にぎりめしがスルスルと空中を移動し手の中にフワリ。
話に夢中な岬と千葉は手探りでにぎりめしをまさぐるが、盆からにぎりめしは消えており怪訝な顔で見つめるばかり。
岬はにぎりめしを遠くで貪り食う少年と目が合うが、もう一度見たときにはにぎりめし同様消えていた。
草むらで機嫌良く球体を愛でる少年。
村民にカカシの服を盗んだことを見つかり咎められる。
球体を「タマゴだ!」と主張すると村に出た怪獣のタマゴと結び付けられ騒ぎとなる。
同時に怪獣出現。
少年が短距離ジョウントで逃げるとSAFが駆けつけ千葉が張形銃で応戦。怪獣は地下に潜る。
SAFは怪獣を探索するため即探知装置で探し始めるが、如何せん手持ちの装置で地上からであったため成果なし。
そこへ先の村民がやってきて少年のタマゴが怪獣出現の原因と進言。
大声で怒鳴られ勢いで卒倒するという水島の小ボケあり。
SAFは怪獣を見つけられず一旦帰り、少年はタマゴの中身である“ベムタン”を早く孵すため温泉地(火山?)の地熱を利用しタマゴを土に埋める。温度がどのくらいか知らないが、ゆで卵にならないことを祈るばかりである。
その後、少年は村民に再度見つかり追い立てられる。
林の中で木の上にジョウントし、その場を乗り切るが、次第に村に居場所はなくなってくる。
ちなみに、追いかけられているときに編集で樹上にジョウントしたように見せているのだが、映像が遠すぎて非常に判りづらい。
少年が遊ぶ子供に混ざろうとすると、またしても村民が割って入り「こいつが怪獣の出た原因だ!!」と全員に石を投げられる。
雨に濡れ木陰で縮こまる少年。
そこへカッパを着たジイさんが通りかかり優しく家へ招かれる。
初め恐れをなしているが、熱もあり担がれて連れて行かれる。
少年は、風邪で死んだ孫の姿を重ね合わせるジイさんに介抱され、翌日には回復する。
孫の服を着せられ、唐突に縁側の端に置いてあるコマなどで遊び、なにやら妖しげとも取れるスキンシップをする。
学校のことも突如使う超能力のことも気にすることなく生活を続けるジイさんと少年カップル。
少年は思い出したようにベムタンを掘り出しに行く。
怪獣が出現する予兆を感じ、ベムタンを持ち帰ることを決める少年。
掘り出すと不意に岬がおり気さくに話しかけてくる。
「それが怪獣のタマゴかい?」「怪獣のタマゴにしちゃ小さくないかい」
少年が「ぼくの星の怪獣なんだぞ!」と正体を明かすと「そうだったのか、君はやっぱり宇宙から来たんだね」とサラリ。
すぐに打ち解けると少年は宇宙船に忍び込んで間違って地球に来たこと、宇宙船は爆発したことなどを吐露。
岬は秘密を守ることを約束し、怪獣出現の危険のあるこの場所から帰らせる。
いつのまにか正体を見抜いていたり、話を聞いて帰したりと、アバン大陸人の行動はいろんな意味で侮れない。
ジイさんの家に帰った少年はジイさんと2人でベムタンの生まれる瞬間を心待ち。
程なく孵ると中からベムタンという名のヨロイトカゲが出てくる。
3年越しに生まれたベムタンに頬擦りして喜ぶ少年。しかしベムタンの誕生でいつでも母星に帰れる状態にはなったがジイさんをひとり残してしまうことに少々気を落とす。
そうこうしているとまたもや村民が不法侵入で登場し、怪獣との繋がりの証拠とヨロイトカゲを奪いに掛かる。
揉み合っているとジイさんが熊手で殴り込んできて大立ち回り。追い払いに成功しそうなタイミングのところで怪獣出現。
逃惑う少年とジイさん。
落石によりジイさんは挟まれ流血。
怒った少年はトカゲと突っ込んで行くが岬が現れ止められる。
岬は「怪獣は俺たちにまぁせるんら!!」とろれつの回らない感じで少年を押さえ込むが、サッと土を浴びると倒れて動かなくなる。
それを見た少年はトカゲと合体し2本角の直立したヨロイトカゲになり闘い始める。
激闘虚しく少年は気絶し元の子供とトカゲの姿で突っ伏す。
その間残りの隊員の乗ったマリンゴンは墜落。
気が付いた岬は少年を起こしに行く。
揺するとベムタンは突っ伏していた丸太の隙間に落下。一瞬「いけねっ」っという感じで隙間を見る岬だったが無視して演技続行。
少年の「ベムタンは?」に慌てて隙間に手を突っ込むもなかなか取れず、指にかろうじて挟んで「大丈夫、ここにいるよ」
その後、岬は変身し大格闘。
ファイヤーショットで両腕を吹き飛ばし、フラッシュでフィニッシュ。
さらに少年とトカゲにエネルギーを与えて巨大なまま「うむっ」とコクリ。
少年は別れも告げられず姿を偲んで帰路へ。
ジイさんは「エムサァーッ!!」と呆けたように、その名前に疑問も持たず叫び続ける。
空の星に少年を重ね、ジイさんが今日も見つめてEND。
少年と老人の昔話的な牧歌的交流、村人たちによるいわれのない差別と、最近にしては見るべきものがあったと思う。
思うが、怪獣のタマゴを抱えた少年といい、老人の前に現れた孫代わりの子供が宇宙人といい、村人の差別といい、全て一回見ている気がする。
それと、怪獣の出現と少年の関係は結局何もなかったわけで、その辺の折り合いをどうにかして欲しかったし、その後の村民も描いて欲しかった。
まぁ、そういう雑な部分も多かったが最近凡作が多かったなかまあまあだったかと。そこはかとなく妖しいシーンも少なくなかったが。
ところで、先週のコメントの返信で「新聞のテレビ欄に裏チャンネルも載せて欲しい」と書きましたが、よく見たところちゃんと載ってました。同じ時間の枠の中にS2とか書いてありましたね。判りづらいですが。
一応、念のため。
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- 2011/01/24(月) 06:47:14|
- MX円谷劇場
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| コメント:2
武器は科学だ、と始まったにもかかわらず、農村地帯を舞台にした牧歌的な話ばかり。科学はどこかに置き忘れているような。
いえ、あのいかにも田舎然とした風景は大好きなんですけどね。当初は「ミラーマン」初期のようなアダルトな雰囲気になるのかなと期待していたもので。
他の円谷プロ作品、同時期に放映されていた特撮作品との差別化の結果でしょうか。
それにしても岸田森がレギュラーになっている意味がないような気がしてなりません。
この手の路線だったら、石堂淑朗をメインに据えてアニミズム的味付けもっとおしすすめればいいのになんて思っています。
40年近く前の作品にあれこれ言っても仕方ありませんが。
- 2011/01/24(月) 11:03:55 |
- URL |
- kei #u/iAkt.g
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シーマリン号もすっかり見なくなりました。
メカに“マリン”“マリン”付いてるのに行くところは山奥ばかり・・・。
まぁ、どっちかというと海も関係ないんですけど。
それにしても、「ミラーマン」と全く同じ失敗をしてることに当時誰か気付かなかったんですかね。
ん~~、これは気付く気付かないの問題じゃないのかな。
ライダーなんか毎年「今年はアダルト路線」→「不人気のためテコ入れ」の繰り返しだったりするんで。(近作は割りと成功してますが)
製作スタッフの性なのかな。
- 2011/01/25(火) 05:39:41 |
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