和也がファイティングスターで興奮する話。
<主な登場人物>
■一般人
立花ナオキ(立花直樹):エメラルド星人からセスナに偽装するジャンボーグAを貰った本編主人公。大利根航空に勤めるパイロット兼整備係。キックボクシングの覚えあり。無軌道な直情型。兄の嫁、その息子と同居。
立花茂子(桜田千枝子):ナオキの義姉。PAT基地内で「スナック・PAT」を経営。
立花和也(香山高寛):ナオキの甥。茂子の息子。
伴野大作(田崎 潤)大利根航空社長。元PATメンバー。
■PATメンバー
立花 信也(天田俊明):PAT隊長。ナオキの兄。頭部に落石を受けいきなり1話にて死亡。
岸 竜蔵(大橋一元):PAT二代目隊長。沈着冷静だが熱血漢。
浜田 守(松川 勉):PATチーフ。面倒見のいい人格者。
熊井五郎(丸岡将一郎):デブキャラ。ナオキからはダルマ呼ばわり。
野村せつこ(加瀬麗子):PATの紅一点。ナオキに世話を焼くお節介。ナオキからはアンパン呼ばわり。
冒頭、郊外の線路(単線)を伝ってガキ大将チームがナオキの甥、和也を追い詰める。
和也は感電を物ともせず架線の上に逃げており、ガキ大将チームに加わるのを必死に拒む。
柱を揺すられ脅されると和也は泣き出し、驚いた子供たちは和也を置いて逃げ出す。
スナックPATでは隊員がくつろぎ、ナオキはエプロン姿で食器磨きのお手伝い。
そこへズタボロの和也登場。架線の上では綺麗だったが、その後戻ってきたガキ大将たちにやられたか、はたまた降り損ねたか・・・。
ナオキは見るなり食器を叩きつけ、ケンカに負けてすごすごと帰ってきたと思しき和也を義姉を払いのけ問いただす。
ちなみに姉さんはベリーショートになっており、だいぶ若返りに成功している。
負けたと判るとナオキは和也の横っ面をビンタ、持ち前の直情性格を発揮し和也にケンカのスパルタ教育を施すと息巻く。
止めに入ったせつこが「あなたのやり方はケンカを勧めるようなもの」、「私を殴れたら連れてっていい」、「私を普通の女と思ったら痛い目に遭うわよ!」などと、ややウーマンリブ的な意見ででしゃばると、今度はナオキが「ほぅ、じゃあ、俺を殴れるか?!」とやり返す。
ナオキが目をつぶり、せつこが決心して手を上げかけると基地のアラームが鳴り響く。
京浜工業地帯に怪獣が出たため全隊員出動となるが、兄貴の仇を取ることに拘っているナオキは隊長にエプロン姿で「一緒に連れてけ!!」と直訴。
が、隊長には「ケンカしに行くのではない!!」と袖にされ、義姉からは「兄さんのことは忘れて・・・」と懇願される。
しかし復讐に取り付かれたナオキは和也にも復讐すること誓わせ、「こうしちゃ居られねーやっ」と駆け出していく。
京浜工業地帯ではゴリラが蛾のコスプレをしたような怪獣が大暴れ。コンビナートを破壊しまくる。
ナオキは大利根航空からセスナを勝手に持ち出し、社長を余裕で振り切り離陸。
戦闘現場では隊長の乗るファイティングスターが羽根付きゴリラの右目にミサイルを命中させる。
続いて浜田たちの乗るジェットコンドルも左目を狙いに行くが火炎放射の返り討ちに。
注意を促す隊長の隣で澄まして乗ってる野村隊員が可愛い。(B級アイドル風)
その後、隊長機が撃墜されナオキのセスナ登場。「煙で見えねぇ~」と文句。
ナオキはジェットコンドルの進行方向に割って入り、炎を浴びながら怪獣周囲を回り続け目を回す作戦に出る。
やがてフラフラになった怪獣は倒れ込み、一旦退却させられる。
倒したと思ったナオキは有頂天。ジャマされたPATは怒髪天。
ダルマこと熊井は興奮のあまり吃音になってしまい「なななななななななっ」。浜田に「ナオキだろっ!!」と怒鳴られる。
スナックPAT。
憮然として座るメンバー(作戦室は無いのか?)。コーヒーを運んできた和也はとばっちりで浜田に睨まれスプーンを落とす。
それを浜田に見られながらエプロンの端でこすって戻す和也。サロンには居たたまれない雰囲気が充満。
そこへ「みなさん、やってますねぇ~」と軽口叩きながらナオキ登場。
知ってか知らずか浜田の肩を揉みながら「よっ!」「オッス!!」。
浜田に胸ぐら掴まれるナオキ。
活躍したと思っているところに、その無軌道な行動から総スカンを食っていることを知るナオキ。
隊長からは「ムチャをするならサロン出入り禁止」、義姉からは「和也はあなたのすることを全て正しいと思っているからムチャはやめて」、せつこからは「和也くんと一緒に住まない方がいい」と、言われ放題。
売り言葉に買い言葉で、せつこに罵声を浴びせて出て行くナオキ。
川原で石など投げながら言われたことを一人噛みしめるナオキ。救いを求めるように「兄貴ぃ~!!」。
土手でPAT戦闘機のスクランブルを大胆な合成で見つめ、怪獣の再出現を知るナオキだったが、現場に行くことはためらいスナックへ向かう。
和也のために出撃を我慢したナオキに喜ぶ姉さん。
イスには和也がしていたエプロンが掛けてあり、意味ありげにアップとなる。
ファイティングスター内では攻撃態勢に入ると和也がヒョッコリ現われ嬉々として攻撃に参加。
降ろせないためそのまま攻撃に入ることに・・・。
F・スターに和也が乗っていることを知ると、ナオキは「任せろ!!」と飛び出す。
そのころ熊井たちのジェットコンドルは火に炙られ墜落、脱出。珍しく射出するさまがミニチュアで表現される。
ちなみに複座のコンドル、内部では円谷独特の横並び風の変形複座だが、ミニチュアは完全に前後。
座席が余っているのにもかかわらず和也を立たせたままのスターコクピット。和也は眼前の戦いに興奮がおさまらず叫ぶ。「やれっ!!」「それっ!!」
直後、F・スターはやられ、脱出装置も効かない状態になり、変形したジャンボーグに助けられる。
ナレーションからはしつこく「ジャンボーグの目の奥で操縦」が繰り返される。
ここから延々戦闘が続き、ナオキが憑りつかれた顔で狂ったようにマウントパンチを浴びせ、耳から前習え光線、ビーム・エメラルドでフィニッシュ。
キグルミのキッスが悪態を吐き、和也が強くなるためにナオキに教えを請うと言い出し、セスナに戻ったジャンボーグの飛行シーンが、時間が余ったのかと思うほど1分以上も続きEND。
戦闘シーンやワンダバも多く、内容が濃いわけではないが子供番組らしく纏まっていたように思う。
ナオキは、その無軌道さゆえみんなのお荷物というのが製作側としても意図のようだ。
ただ、甥の和也がナオキに憧れてダメな大人になっていくのはどうなのか?
70年代的には「わんぱくでもいい、逞しく育って欲しい」ということなのだろうか。(勝手にスターに乗り込んだのも、お咎めなしみたいだし)
ほか、気付いた点としては、ミニチュア(コンビナート)の出来のよさ。プロップや操縦席の造り込みのよさ、などが目立った。
怪獣は造型は別としてデザインはそんなに悪くないと思った。
あと、基地内での溜まり場が常にサロン(スナックPAT)というのはちょっとヘンだと思うが。
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- 2011/02/28(月) 05:01:01|
- MX円谷劇場
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