ジャンが花を摘む話。
<主な登場人物>
■一般人
立花ナオキ(立花直樹):エメラルド星人からセスナに擬装するジャンボーグAを貰った(27話よりホンダ・Zに擬装するジャンボーグ9も貰う)本編主人公。大利根航空に勤めるパイロット兼整備係。キックボクシングの覚えあり。無軌道な直情型だったが、最近我慢や努力を覚える。亡き兄の嫁、その息子と同居。常にガス欠男。
立花茂子(桜田千枝子):ナオキの義姉。PAT基地内で「スナック・PAT」を経営。昼下がりの団地妻風後家。たまに鋭いことを言うときがある。
立花和也(香山高寛):ナオキの甥。茂子の息子。ませギャグで大人をからかう癖あり。
伴野大作(田崎 潤)大利根航空社長。元PATメンバー。
■PATメンバー
立花信也(天田俊明):PAT初代隊長。ナオキの兄。頭部に落石を受けいきなり1話にて死亡。
岸 竜蔵(大橋一元):PAT二代目隊長。沈着冷静だが熱血漢。石原良純似。大阪での特攻により12話にて死亡。
浜田 守(松川 勉):PAT三代目隊長。面倒見のいい人格者。元チーフ。ゴージャス松野似。非常に滑舌悪し。31話以降所在不明。
熊井五郎(丸岡将一郎):デブキャラ。ナオキからはダルマ呼ばわり。
野村せつこ(加瀬麗子):PATの紅一点。ナオキに世話を焼くお節介。ナオキからはアンパン呼ばわり。B級アイドル的容姿。
風間一平(中村俊男):元ナオキのライバルの飛行機野郎。背は小さいが生意気なチンピラ風性格。プロゴルファー猿激似。19話にて東京に水爆を落とし損ねて北海道に左遷。
大羽健次(瀬戸山功):眉の太いすっとぼけ野郎。馴れ馴れしいところあり。ノブコブ徳井似。風間と一緒に14話より途中入隊。最近はだいぶ凛々しくなる。
■元SGMメンバー
村上 浩(和崎俊哉):PAT四代目隊長。浜田の不在を受け、32話よりPATに強引に乗り込む。
野村由起(市地洋子):村上にくっ付いて来て、同じ名字のせつこのお株を奪う(32話のみ登場)。眉毛が割り算。
夏の昼下がり、里山に囲まれたような緑深いカヤ葺き日本家屋にランドセルの少年が帰ってくると、見慣れぬ車が一台。
ジロジロ見ていると、家から白衣の医者と看護婦。
続いて、絵に描いたようなバアさんが大仰に腰を曲げて見送ると、「お医者様の手にも負えなくなっているんだよ・・・」と母親の病状に悲嘆。
少年の「もう、助からないの!!」という悲痛な訴えにも、「気を落とすんじゃないよ」「まだ命が無くなった訳じゃないんだ」というのが精一杯。少年の細いアーモンドアイに涙が満ちてくる。
そして、バアさんは「まだ、助かる方法はあるんだからね」と含んだ言い方をし、少年が興味を示すと、おもむろに、
「エメラルド花を探すんだよ」、と、気が動転してるのか、暑さで混乱してるのか、なんだかよく判らないことを言い出す。
どうやら、この語呂の悪い花は、名前とは違い何故か花も葉もすべて金色で、昔からの言い伝えでは、煎じて飲めば万病を治すのだという。
当然、少年はエメ花の効能にウットリしてしまい、母のために入手することを夢想。
その夜、エメ花を夢にまで見てしまった少年は、早朝から山奥に採取しに行くことを決意。まだ月の出ているうちから浴衣(作務依?)をいそいそ脱ぎ出して準備に余念がない。
山を分け入り、明るくなってくると、意外に人工的な砂利採掘場のような開けたところに出、その砂土剥き出しの斜面を登ることにする。
途中、何もない岩肌の上に突如青大将が出現し、首に巻きながら転落する、というアクシデントなどもありつつ、登って行くと、今度は急に観光地のように柵付きの誘導路が現れ、一転地獄谷のような風景になる。(白煙モウモウ)
そして、立ち入り禁止の看板が出てくると、その上の岩に光る何かが。
よく見ると、金ラメギラギラのユリ科の花が・・・、どうやらエメ花はユリ科らしい。
少年が花に近付くと、暗い木陰からアガメムノンのマスクみたいな顔が「またしても人間が近付いたか!!」と震えて激怒。観光地に基地造る方がおかしいと思うが、怪獣で追い払うと宣言すると「オロロン!!オロロン!!」
なんとも言い難い、腹から小さい怪獣が上半身だけ飛び出したような、鱗とねじれた角の生えた羽根付き怪獣が現れると、少年は脅される。
豪快な落石に遭い、ふもとまで駆け下りると寝ているのか警官が全然出てこない交番から電話を借りPATに通報。
「怪獣が出た」という少年の訴えに熊井は、早朝ということにまず不快感を示し、場所が蛇が岳と知ると「あそこは煙が凄くて見間違いが多いの」と取り付く島なく切ってしまう。
「こんな時間に子供が蛇が岳に居るわけない」「夢に決まってる」と決め付ける熊井に、お前も何でこんな時間にPATに居るんだというナオキが食って掛かるが、言いくるめられると意見を引っ込めてしまう。
少年が「ちきしょうPATめ!!」と憤慨していると、のそのそ起きてきた車だん吉のおまわりにも「夢でも見たんだろ」と相手にされず。だん吉によると、怪獣目撃情報はすでに少年で12人目。
意外にも和也と友達だった少年は、和也とまたも出てきた戸川京子と、「調査しても怪獣はいなかった」というPATに対して「うそつきだ!!」「そんなことない!!」と言い争い。
少年を信じることにした和也たちは、PATにもう一度調査を依頼しに行くことに。
きれいな割りゼリフで調査以来を訴え、エメ花採取の事情も付け加えると村上は「何かあるかもしれない」とレーダー監視の徹底を指示。
「すぐ行けよ」と子供たちがブーブー言っていると、ナオキが蛇が岳行きを買って出る。
ちなみに、茂子はエメ花のことを熟知。伊達にPATでスナックを経営していない侮れなさを発揮。
ナオキは少年とZで出発。
PATはアホのように全員でレーダーを凝視。
Zは悪路を疾走して蛇が岳へ。
採掘現場のような場所でZを降り、一旦下ったのち例の岩場に出る。
ナオキが「俺が取ってくる」と兄貴風を吹かすとスペル顔のザビタンがヒョッコリ。
なかなか切り立った岩場なのでソロソロとアクション開始。
少年の前でスペルザビを串刺しにしたり、崖下に突き落としたりして勝利すると、「あれはサタンゴーネの手下」したがって「怪獣も実在」と説明し、危険なのでZまで帰るよう命令する。
が、それを嫌がり「エメ花摘む!!」と言うことを聞かない少年。
PATでは、村上がやっと出た怪獣の反応に、異常な、眼力だけで人を睨み殺しそうな渋味の効いた形相で出動を指示。熊井と大羽はコンドルで出る。
慌ててZに駆け戻るナオキ。急いで乗り込むとチラと後ろを振り向き「いまに見ておれ!!」と急に武家になる。
ジッとしていられなかった少年は、動き回った挙句サタンに目を付けられ怪獣を差し向けられる。
ナオキは急に泥被ったZを9にすると、戦闘開始。
上から覗くと、朝には確かにあった金ユリがグロースの秘密基地のレーダーだったことが判明。少年に言い出し辛くなる。
少年は少年で、怪獣の接近により崖に追い詰められ宙ぶらりん。耐え切れず手を離すとナオキの目の前でゴロゴロの岩石の上に落下。
それを9のままボーっと見ていると後ろからガシッ!!自分も転がされてしまう。
その後、少年をチラチラ気にしつつ、PATの脳天ダーツ攻撃の援護で攻守逆転すると、手振りでPATに「ほら、グロースの秘密基地ここだよ」と攻撃の支持を与え、適当にブン投げてあっさりフィニッシュ。
9を降り、少年を助けに行くと「俺が必ずエメ花を取ってきてやる」と宣言。少年を負ぶって下山する。
途中、大川隆法みたいな顔で安心する少年を背負いながら、どういう思考回路か、「エメ花はエメラルド星に行けばある」と固く信じ、「(ピコーン)そうだ、ジャンを使って!!」と、よからぬことを考え付く。
かくして、セスナを宇宙に飛ばすナオキ(もちろん途中でジャンになってるが)。
エメ星に着くと、やっぱり生えていたが、ジャンのデカさを考えると相当にデカい金ユリを摘んで帰る。
夜、寝ていた少年が、エメラルドに光る外を不思議に思い、庭まで出てみると、空にはそびえるジャンボーグA。
手にはエメ花。ジャンが40メートル、少なく見積もってもエメ花は6メートル。
それを、いたずらに放ってよこすジャン。
が、少年の足元に落ちたときには普通サイズの切花に。投げてる間に花が縮んだか、はたまた少年が急成長したか、は謎。
その後、なんでジャンがエメ花のこと知ってるのか、とジャンの素性がバレそうになり、必死に首を振って否定し、ナオキが少年を密かに応援してEND。
母を思う少年の気持ち等はいいとして、全く出てこない母親や、取って付けたような“エメラルド花”という設定がなんとも。
その日本の伝承の花がエメラルド星にあるというのも、俄かに信じがたい。
全体的にやや中途半端。
ほか、気付いたところでは、珍しく戦闘シーンがオープンセットだったこと。
やはり、自然光に勝る物はない。まっ、ちょっと小さく(人間サイズ)見えたが。
あと、ちょい役で出てきた車だん吉が、意外に立川談志似だったことぐらいか。
怪獣に関しては、ああいう奇形的デザインはちょっと嫌かな。
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- 2011/11/07(月) 03:57:49|
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