

アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」と、「アクロイド殺し」です。
これは、以前朝日新聞に連載していた筒井康隆の「漂流 本から本へ」(筒井氏が幼少の頃から何を読んで、何に影響されてきたかについて語った本)に紹介されていたもので、興味と手に取り易さから、つまみ食い的に読んでみました。
「漂流」の中では、「そして~」を章の見出しにしていたんですが、内容としては、「アクロイド」に衝撃を受けたことの方を大きく扱っていて、両方読むことに。
もちろん、日本初出のときの感想なんで、今読むと評価も違うかと思いましたが、さすがに面白かったですね。
ロクに内容も知らないで読んだのがよかったんですが、「そして~」は、まぁ、有名作ですし、薄っすら知っていたのと、タイトル自体がネタバレ(予告殺人なんで、知ってても関係ないですが)なんで、「アクロイド」の方がより衝撃的でした。
両作とも、読者に対する裏切りとどんでん返しが強烈で、特に「アクロイド」の展開は声が出そうなほど。
まぁ、ポアロの情報の精査の仕方のドライさから“まさか”とはチラリとよぎりましたが、それにしても見事な裏切り方。筒井氏もこれ読んで影響され、自作の叙述ミステリー書いたんだとか。
どちらも、読者に必要な情報を書かないことで成立している話なんで、発表後、特に「アクロイド」はアンフェアだと批判されたらしいですが、何にも関係ないですね、そんなこと。
ミステリーには書くに当たってルールがあるらしいですが、これだけ面白ければジャンルにこだわる必要もないです。
私は、いわゆる“本読み”ではないんで、世間の人の方がミステリーは読んでいらっしゃるとおもいますが、同様にミステリーあんまり読まない人につまみ食い的にお薦めします。(「アクロイド」をね)
当然、予備知識なしで読むこと推奨。
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- 2012/12/11(火) 19:00:55|
- 本、コミック感想
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