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GEN'sログ(雑記)

イラスト&コミックのサイト「GENユニバース」の管理人GENのブログです。

攻殻機動隊 (1) KCデラックス

31c1602f.jpg正直に言えば、押井作品はあんまり観ていない。
嫌ってるとか、避けていたとかではなく、ただ、なんとなく、その時々のめぐり合わせで観ないで来てしまったという感じ。まぁ、周りが騒いでる分引いてしまった、というのは多少あったかもしれないが、そんな感じ。

攻殻については、映画の『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』を出たばかりのDVDで友人に勧められて観たんだが、話しながらの観賞で話しに集中せず。チラ見でも凄いなとは思ったけど、まったく失礼な話だな。(のちにテレビ放送された『GHOST IN THE SHELL』と『イノセンス』を改めて観て、震えるほど感動したが、今更で、恥ずかしいのでブログに感想を書かなかったのは秘密)

で、何故、今、原作マンガなのか。
というのは、『サイボーグ009』の映画化記念で放送された『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society』を観たからなんですが、具体的に言うと、それに出てたサイトーがカッコよかったから。(笑)
坊主にアイパッチでイカついサイトーが、緊迫する狙撃の名シーンで、相手からも狙撃され、撃ち勝ったときにバトーに言うセリフが「仕留めたよ!!」
ズコーン。“よ”の後にハート入れたくなるような、その響き。ゲイかと思ってビックリしましたよ。なんなんだと。原作に居るのかと?(断っときますが、サイトーがゲイっぽいのをカッコいいと思ったんじゃないですから)
そもそも、攻殻ってたいして原作の量がないのに映画もテレビも原作からの引用がいくつもあって、どの程度映像の元になる要素が描かれてるのか、そこんとこどんなもんなの?
と、こういう訳です。

ちょろっと古本屋に行った感じ、集まりそうになかったんでアマゾン(マーケットなんちゃら)で購入。どしゃ降りの日に薄いビニールと封筒だけでドカッとポストに届いたりもしましたが、滞りなく1巻、2巻、1.5巻それぞれ入手。

で、読み始めると、これが読みづらい・・・・。(笑)
士郎正宗のマンガはいくつか初期のものを持ってるんで、読みづらいのは判ってたんですが、こんなに読みづらいか、と。しかも、絵も作劇もヘタというか雑というか・・・、こんなんだったっけ、と、ちょっと閉口。
もともと、自分だけ判ってる感じで、アイデアやデザインなんかは飛び抜けてましたが、演出は独りよがりなトコがあったんで、まぁ、こんなもんなのかな、と我慢の読書。こんなにマンガ1冊読むのに時間掛かったのもないってぐらい時間掛かりましたね。
科学、物理、ハイテク、ミリタリー、政治、その他もろもろ、最新の情報を入手したら知らせたくて、説明したくてしょうがない、って感じは沸々と感じましたが、大量に欄外に補足説明と言い訳書いといて、「説明セリフは嫌い」って、おいおい・・・。本末転倒だろ。

が、これが、半分過ぎたぐらいから急速に良くなって、話もダイジェストみたいなのじゃなくて、しっかり組み立てられてきて面白くなってくるんですよね。で、進めば進むほど面白くなって、読了後はすげーな攻殻!!

いや、面白かったんですよ、最終的に。
サイバーパンク小説という土台があるにせよ、ギリ80年代であそこまで描けたのはやっぱり賞賛に値しますね。
冒頭の疑問も、これだけ情報量が詰め込まれてたら1エピソードで映画にもなるよそりゃ。

物理の本とか読んでたのも助かりましたね。たぶん出た当時読んでたら内容チンプンカンプンだったでしょう。
人形使いと素子のやり取りなんかも、凄く観念的なこと言ってるようで殆ど内容は物理の領域の話ですからね。

また、テーマの“人間とは、意識とは何か”という疑問もいいですね。というか、物理学の行き着く先がこういう領域に片足突っ込んでいるし、自分も最終的に人の意識が何なのか、ということが科学で解明されることを望んでいる部分もあるんで、方向性もシックリ来ます。そこに、宗教や霊的なものも混ぜ込んでいるのも、あえてアリだなと。
そういう、もろもろのことを見ていくと、ミクロ(人の意識や頭の中)がマクロ(宇宙やネット世界)と直結してるという部分では、『アキラ』とテーマが似てるかも。

それにしても、映像作品はよくぞ原作の同人ノリにフィルター掛けてくれたよね。
カッコいい部分だけ巧く抽出してあって、あの痺れるようなシリアス展開が、まさかあのオチャラケから生み出されてるとは、原作知らない人だったら、まったく想像つかないでしょうね。
キャラは多彩で、(荒巻がいいですね)魅力ありますし、(士郎正宗って、あんなオッサン描きだったんですね)9課では、イシカワとかも絵面がいいんですが、バトーが髪が伸びたり縮んだり、シュワルツネッガーになったりコロコロ変わって、最終的に落ち着いたのが両津。あのキャラで『イノセンス』の主役はやれないだろ。2巻以降でまた変わるのか?(これから読みます)

絵でいうと、隅々までデザインされてるのは頭が下がる思いだなぁ。実在の建物や車を描くより、描きながらデザインした方が早いしミスも判らない、っていうのは確実にあるとは思うけど。

とにかく、映像作品並に攻殻らしさ(原作だっての)を堪能できたんでよかったです。
ほんと、結果論ですが、読んでて楽しい時間でした。

もちろん、続巻の感想も読んだら書きますよ。
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  1. 2013/01/17(木) 01:45:56|
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