
『暗黒神話』に続いて、『孔子暗黒伝』です。
またしても、強烈な衝撃です。
描かれていることが、かつて見たことも聞いたこともないようなイメージの連続で、正直、後半酔いそうでした。(笑)
先の展開を読むとかそんなレベルじゃなくて、作者にしか到達でき得ない、圧倒的な知識量を駆使した、ウルトラC的時空間のねじれの結果現れる現象に只々凝然とします。
ストーリー的には、タイトルが示すように、前作同様ブラフマンによるアートマンの選出と後継の物語を、再びスケールアップして行われたものだと言えるのですが、そのスケール感の凄さ、扱われるモチーフの不思議さ、そして、最終的に到達する着地点により、話が只の焼き直しではなかったことに唖然とします。
読んでるコッチがたじろぐような、印象的なエピソードを拾い上げて説明したい気持ちも多々あるんですが、やはり、これから読む人のためにそれはやめる事にします。
ただ、尋常ではないイマジネーションと、何処から発想するとこういう話になるのかという展開、様々なギミック、不気味なキャラクター、超越したような宗教観。もう、いろいろと保障済みですので。
それと、読んでいるあいだ考えていたことが、そのまま解説に書いてあったので、文庫版の解説にも目を通してもらいたいですね。
『進撃の巨人』の成功のひとつに“絵が独特にヘタ”というのが指摘されていますが、諸星氏も氏にしか描けない描線で描かれるからこそ成立する世界というものが確立されているということ。漫画界において、大友克洋という衝撃(影響)を受けなかった人は少ないですが、同時代、その影響をまったく受けないような立地点に、同じほどの衝撃を持って存在していたのが氏であったということ。そんなようなことを読んでいるとき考えていました。
最後にちょっと。
インドの宇宙観も凄いですが、易にはちょっと興味がありますね。
なにか、やさしい解説本でも読んでみたいところです。
追伸。
書き忘れたので追加で書きますが、宮崎駿が諸星氏に影響を受け、『もののけ』などを作った、という「へ~」っという興味からの諸星作品挑戦なんですが・・・、『孔子暗黒伝』、『もののけ』の元ネタいくつか入ってました。
神様関係の名前は、神話に元々あるものなのかもしれませんが、意匠関係は影響受けてるかな?って感じです。
そういった部分も手にとって確認していただきたい。
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- 2013/08/04(日) 02:41:15|
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