
去年出た本だし、何処ででも売ってたから、わざわざ紹介しなくてもいいかと思いましたが、値段の割りにけっこうよく纏まってたんでご紹介。
タイトルどおり、石ノ森章太郎のマンガ、アニメ、特撮物などでのヒーロー作品を紹介したもので、ほぼ、石ノ森氏の原稿やイラスト、スケッチのみで構成されてます。
東映側の画像がほぼないんで実際のスーツ等との比較は出来ませんが、デザイン画、スケッチ、決定前のNG版デザインなど、1作品ごとの点数は多くないですが、かなりの作品数を程よく見ることが出来ます。
実は、かなり前に、石ノ森ヒーローのデザイン画集のような大判の本が3冊ほどシリーズで出ていて、そのときちょうど資料にあんまお金使いたくないって、ちょっと熱が冷めてるときで買わなかったんですが、いまになったら入手困難な本になっちゃってて、あんとき買えばよかったかなと少し後悔。なもんで、ちょうどよかったんですよね。
そのときの本に比べれば、イラストの点数は少ないんですが、かなりカバーされてるんで満足です。
まぁ、難をいえば、表紙や表紙裏にあるイラストが本文で紹介されてない作品のものも混じってたり、『アクマイザー』の扱いがやや小さいのと、『嵐』のデザイン画がなかったことが残念。イラストだけでデザインスケッチなどがない作品は、元からないか、残ってないのかもしれないので、一概に難癖つけるわけにはいきませんけどね。
『アクマイザー』に関しては、リメイクの順番が迫ってるから見てみたかったんですが、『嵐』に関しては、デザインが凄いなと思ってるんで、どこら辺まで石ノ森氏が創ったのかが単純に知りたかったんでよね。
石ノ森デザインの何が凄いかと考えたとき、丸や四角などの単純な形に落とし込んでデフォルメする、という以外に、要素を混ぜるというのがあって、『嵐』の場合は、忍者、鳥、剣道の面が混ざっていて、モチーフになる動物以外に職業や機能的なものも混ぜてるんですよね。
開いた鳥の口の中に剣道の面の格子があるって、考えたらヘンテコリンなんだけど、キグルミからいうと、それはのぞき穴になっているわけで、覗くところだから面という、理屈じゃないんだけど妙に説得力があるというか、単純に発想が凄いなと思うわけです。
スーツの造型段階で格子が入れられたんじゃないかと勝手に思ってるんですが、これ、初めからこうデザインしてたら、そりゃエラいことですよ。
『ライダー』の場合も、バッタの改造人間って、この時点で2つ混ざってますが、プラス、バイクレーサーが混ざっていて、これがカッコよさに繋がってますよね。原作見れば判りますが、頭がヘルメット的なのも、ボディーのベースが革のレーシングスーツなのもレーサーの表現だもんね。
そう見ていくと、やはり尋常じゃないなと、石ノ森デザイン。
個人的には、混ぜる要素は2つより3つと、多くなるほど凄いものに仕上がってるき気がします。
その混ぜたものを、子供でも描けるように可能な限り単純化させて見せるのがまた素晴らしいセンスだと思いますね。
というわけで、最近では、安くて良本だと思うので、特撮本はほぼ何でも揃ってるって人には必要ないかもしれませんが、ライトなファンで興味のある人は、買っても損はないと思います。
実は、感想書くかは別として、去年末に特撮関係の本をいきなり立て続けに4冊も買ってしまったんで、しばらく特撮三昧です。
ちなみに、次読むのは、ちょうど、この本を補完する内容の『昭和石ノ森ヒーロー列伝』で、こちらの本も負けず劣らずのコスパのうえ、テレマガからの写真でいっぱい。しかもやっぱりデザイン画もけっこう載ってるみたいなので楽しみです。面白かったら、これ以降も感想書きます。
*『昭和石ノ森ヒーロー列伝』、読み始めたら、使用写真がテレマガじゃなくて、テレランだった。
間違えました。
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- 2014/02/27(木) 07:27:17|
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