
唐突ですが、『幻魔大戦』全20巻を読んでみました。
かれこれ10数年前、あることを思い立って、アニメの『幻魔大戦』のDVDを購入。
そして、まだ観る前のある日、不意に入った古本屋でビニール紐で括られた全巻そろいの角川版『幻魔』の文庫本を発見。
『幻魔』の小説は、『真幻魔』を6、7巻で挫折(映画公開から数年後)という苦い経験があるので若干ちゅうちょするも、これは、何か呼ばれてるな、と、即に購入。
ちなみに、全巻初版で、カバーは生頼(おうらい)→加藤→大友→生頼という順番で変更されていた。
石ノ森章太郎のマンガ版はすでに読んでいたし、順番からすると映画の前に(映画も劇場で見てますが)小説だろうということで、まずは、小説から着手。
当時はヒマだったんで、即刻読みまくりで4巻目ぐらいまでは一気呵成。 映画やマンガとほぼ重なる部分で非常に興奮。
その後、生活パターンが若干変わり、しばらくは電車の中で読む本、という位置付けとして読み進むも、進みが遅くなる。
丈がおかしな組織を作り出し、セミナーなどを繰り返し様子がヘンだが、嵐の前のなんとやらだろう、と、10巻前後まで進む。
さらにその後、またまたパターンが変わり、日常的に電車に乗らなくなる。
『幻魔』も、買いもの行くとき電車に乗ったら読む本、という扱いになり、劇的に読書スピードが遅くなる。
しかし、まるまる1巻でセミナーの一晩、みたいに、本の方も著しく内容にブレーキが掛かり始め、どんなに間が空いても覚えていられるというおかしな具合に。 丈はとっくに失踪。
さらに、またまたその後、ネットで買いものをするようになると、月に何回かは電車で出掛けていた買いものも数が減っていき、年数回のような様相に。
つまりは、年に2、3回数分読む本扱いなので、ほぼ進まないこと数年。 その間、杉村由紀が襲われていた。
で、今年。 あと3、4冊にまでなっていたが、このままでは読み終わるのがいつになるのか正直判らない。
なので、冒頭の思い立ったことを思い出して、是が非でも読んでしまおうと。
それで、考えた末、トイレで読む本、という扱いを与え、入るたびに持っていくという生活に。
しかし、それで話が進んでも面白くなるわけでもなく、延々教団内の内紛を熱く語られる毎日に・・・・・・。
それにしても、こうして長い間停滞していたもの(トイレで読み出す直前までは、ほんとに年に1、2回だった)が動き出したとたん、発動してしまうんだな。 アレが。
読み出してしばらくしたら、平井氏が亡くなってしまうという。
偶然だけどね。 (それにしては、そういうことがもう5、6回あったけど)
で、読んでなくても噂ぐらいは知ってる人もいると思うけど、小説の『幻魔大戦』って、序盤でマンガ版からそれて(当初はマンガのノベライズ)以降は、もうハッキリと新興宗教のありかたを描いた話なんだよね。
よく、当時中学生とかまで読んだよな。 なんじゃこれ、か、のめり込むかのどっちかっだったんじゃないのか。
それこそ、80年代以降の新興宗教のバイブル扱いだったらしいし、『真』から読んで挫折しててよかったよ。
で、読み始めた当初、GENKENが出てきてから、もしかしたらもうマンガ版のキャラは出てこないんじゃ、と不安になってネットで調べたら、こんな展開になって丈が居なくなってるのは、平井氏本人が新興宗教に嵌まってたから、という、え~、という真実が・・・・・・。
GLAという、その後の新興宗教に与えた影響が大きいことで有名な団体に強く感化された平井氏は、ゴーストライターまで務めてしまう。
しかも、創設者が死に、娘が実権を握ると内紛。 そこから出たのがパナウェーブ研究所の白い布巻く女教祖だったとか。
そのときの噂じゃ、教祖にあたる丈が居なくなるのも、GENKENの女たちが実権を握って内輪もめするのもそのせいで、久保陽子が誰で、郁江はさしずめあいつだろう、みたいに言われてて幻滅。
そういう話にしたいなら、別の作品でやればよかったのに、とも思ったが、読み終えて、あらためて調べ直すと、亡くなっていることも影響して(生前、宗教に嵌まった若者の家族などから批判されていた)、実情は違うんだ、という訴えが。
幻滅してたのは、平井氏自身もで、内紛で嫌気が差して目が覚め、すぐやめて、その怒りで内幕を暴くために描いたのがこれらしい。 (パナウェーブもGLAとは関係ないとの話も)
だけど、未完の上、どうとでも取れる内容だったため誤解が誤解を生んだよう。
というか、終盤、批判に徹しているけど、丈のいう教義は話の都合上絶対に正しいものとして展開するんで、宗教自体の批判ではけしてないんで、とり方が非常に難しい。 (そのわりに、S学会とか名指しで批判してますが)
読むと、続きが気になるんで、『真』も読むべきか、その後の作品も読むべきか、と思ったら、軒並み未完。
『幻魔』は未完になるしかなく、丈は居なくなるしかないらしい。 じゃ読まねーでいいや。
序盤の雰囲気のまま20巻突っ走ったらトンでもない作品になったろうにな。
それだけが残念。
でも、まさか、『真』でも丈が失踪するとは・・・・・・。
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テーマ:読んだ本の感想等 - ジャンル:小説・文学
- 2015/10/24(土) 08:52:38|
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