その日は、姉の帰りが遅かったので、部屋が片付けられていることを知らず、
ふすまで区切られたの薄暗い自室から見ていた私がそのことを伝えると嫌がった。
机のそこの辺りの小物いじってたよ、と教えると本格的に怒りだし、
私から見て左手の方向にある、やはりふすまで仕切られた奥の間にいるであろう母に怒鳴りだす。
だんだんと言い争う声が大きくなってきたとき、
私から見て右手側の、通りに面する雨戸もカーテンもしてない窓の向こうに黒ずくめの男が通った。
男は、頭から足まで顔も手も真っ黒。要するにシルエットなのだが、
やはり黒いスーパーボールを2、3個操りながら歩いていた。
進行方向(私から見て奥から手前に進んでいる)からは目を離さなかったが、
あきらかに部屋の中の様子を伺っていたのは見て取れた。
それが、通り過ぎたあとUターンしてまた部屋を覗こうとしているのが判ったので、
(ちなみに、自室には通りに面する窓はない)今から雨戸は間に合わないので、
姉を、覗かれるからこっちへ来い、とばかりに自室側のふすまの影に引き入れた。
私は、ギリギリ間に合った気がしたのでほくそ笑み、なにげなく振り返ると、(具体的にいうと左を向くと)
いままでの説明からすると背後に当たる自室の窓の網戸に、
植え込みに乗って、気だるげに腕を上げてのしかかる様に張り付く、
金髪に青い絞り柄のシャツを着た男の全身が見えた。
3、4㎝の短髪を整髪料で軽く立たせ、無理やり真ん中から分けた頭頂部の根元は伸びてきた黒髪。
毛先はキンキンの金髪で、著しく鼻とアゴがトガった顔でうつむきながらクスクスと含み笑いをしている。
思わず「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」と叫んでしまい、追い払おうと向かっていくと、
もたれ掛かった力でそのまま網戸を外して上半身を部屋の中へ入れてくる。
こちらは動転して、訳も分からず突進していると、いつの間にか植え込みから降りて逃げてしまった。
ところで目が覚めた。
ひさびさに恐ろしい夢だった。
メモなどを取っていたら睡眠時間が減ってしまうので、朝には忘れてしまうかな、と思っていたが、
頭の中で繰り返しなぞっているうちに雑多な部分が削ぎ落ちてうまく構成されたようだったので寝る。
ポイントを押さえていたのと、印象が強烈だったのとで起きても覚えていた。
頭の中で青いシャツの男のシーンになるたび鳥肌が立った。
ちなみに、判りやすいように姉や母としたが、実際はあやふや。
こんな間取りの部屋もまったく知らないし、出てきた男にもまるで覚えがない。
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- 2017/08/23(水) 11:38:04|
- 夢、作り話
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