
また1章分読んだんで感想です。
え~、ちなみに『聊斎志異』とは、中国の清時代に書かれた(集められた)怪談奇談集で、
この『ザ・聊斎志異[聊斎志異全訳全一冊]』については、
前回の感想、←こちらでどうぞ。
2章目読み出すまでに間があったんで、また読めなくなってるんじゃないかと思いましたが、
どうやら大丈夫だったようで、最後は、読むスピードもぐんぐんアップ。
やっぱり面白いです。似たような話の連続と思いながらも新鮮な驚きも毎回。
で、2章目は、「鬼異の巻」。鬼はオニではなく幽霊のこと。幽霊の出てくる怪談奇談ですね。
これがまた独特で、日本のように恨んであの世から出てくるばかりじゃない。
もう、階層が違うだけでシッカリとあの世に社会が形成されてるんですね。
役人も居れば出世にも気をもむし、試験もなんにもあるんです。まいっちゃいます。わりと出入り自由だし。
なかでも、これは、という話をいくつかピックアップ。(今回は付箋を付けながら読んだのだ)
まずは、「章阿端(しょうあたん)」。
幽霊が出る邸に住むことになった男が、出てきた女幽霊といい仲になって、死んだ嫁を呼び出したりする話。
なんだが、ここに、「人間が死ねば亡者(鬼)になり、亡者が死ねば聻(せき)になる」というのが出てくる。
なんと、幽霊も死ぬのであった。そしてさらに下の階層もあるのであった。
次は、「聶小倩(しょうしょうせい)」。
これは一編の映画を見たような気にさせるアクションもの。
試験を受けるため古寺に泊っている男を剣客が救う話で、
なんと、リモートコントロールの剣が出てくる。
中国の剣客もの映画なんかで、指さすと自動で飛んでくあれ。
しかも、寝てるあいだに化け物が近づくと、勝手に光りながら飛び出し退治するというカッコよさ。
「晩霞(ばんか)」。
これぞ摩訶不思議ストーリー。川で水死すると、竜宮のようなところに行き、
そこで仲良くなった娘があの世なのに自殺すると現世の幽霊になる。
主人公も追いかけて地上で幽霊の夫婦となりハッピーエンド。
死んでるけど普通に生活し続ける話はたくさんある。
「巧娘(こうじょう)」。
生まれつき生殖器が発育不良の男が幽霊家族に魅入られて、モノを大きくしてもらう話。
こんな話じゃなかった気がするが面白かったはず。付箋貼ってあったし。
ただ、キモはどこだったか忘れてしまった。(面白いのは間違いない)
最後は、「畫皮(がひ)」。
かくまって面倒見ていた娘が人の皮を被った化け物で、主人公は道士の助けのかいなく肝を抜かれて殺される。
どうしても生き返らせたい妻は、道士からキチガイ乞食を教えてもらい、そいつの罵声を浴びタンを飲まされる。
やがてタンは人の肝になり、夫の胸に転がり込むと生き返る。
化け物が怖すぎてもの凄いアクションホラー。解決の仕方も奇異。
といった具合。ほんの一部ですがこんなのがギッシリです。
あいかわらず、美人といえば誘うのも襲うのも当然で、女が美人だから話が進むものばかり。
しかも、誘う男も学生風だったのに、いつの間にか田舎には妻と子が居たりする。
とにかく出世のためには一生賭けて試験試験の連続なのは古代から。
詩が読めるとモテモテ。下手だと相手にもされない。
なかなか厳しい社会です。
エリートコースに乗ろうとすれば、ですが。
あの世の描写に関しては、ちょっと統一性がなかったりもするんですが、
非常に詳細で面白いですね。実際に経験談みたいなものもありますし、
アブダクション的な子細な報告例もあるんで、
やっぱり、ぜひ創作活動してる人に読んでいただきたい。
今回はここまで。
また1章分読んだら書きたいと思います。
少し違うものを読んでからなんで、次読み終わるのはいつになるのやら、ですが。
*2021/5/7追記。
「聶小倩(しょうしょうせい)」の感想で、中国の剣客映画のようだとトボけたことを書いてますが、
それもそのはず、なんと、映画『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』の原作なのでした。
なんか、そうじゃないかなぁ、とは思ったんですが、調べて判るものなのかな? とそのまま調べず・・・・・・。
今日検索されていて知りました。
ああ、知らないって恐ろしい。(笑)
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テーマ:読んだ本の感想等 - ジャンル:小説・文学
- 2017/10/13(金) 06:09:17|
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