
以前、バンドデシネの紹介本の感想で1冊買ったと言っていたのがこの本です。
(バンドデシネは、大雑把にいうとフランスを中心としたヨーロッパのマンガの総称)
何でまた、数ある紹介されてる名作の中からマイナーなコレを選んだかといいますと、
自分がHPで描いてるウェブコミックに『カーチャの冒険』というのがあるんですが、
それが、この『ピノキオ』と着想が似てるから!!
実際には、『カーチャ』の方は『フランケンシュタイン』モチーフなんで、違うといえば違うんですが、
Fの怪物にあたるキャラ以外に居る人造人間(カーチャ)が、女の子版ピノキオを想定してたんですね、実は。
しかも、可愛らしい絵柄でゲスい展開を迎えるブラックユーモアな部分も似た感じ。(今はもう違う展開ですが)
なんで、確認したくなったのでした。(ちなみに、描き始めは『カーチャ』の方がずっと前)
作者は、アンダーグラウンドで活躍するバンドデシネ作家、ヴィンシュルス。
わりと可愛らしい絵柄の殴り書きで、ゲスで下品で暴力的で一見救いのないようなブラックな笑いを描く作家。
(読んだことないですが、ぱっと見の汚さ、タブーのない感じは、『フリッツ・ザ・キャット』に似てます)
とにかく、汚らしく下劣で、色んな意味で残酷で、シニカルで卑屈で、でも、時としてちょっぴりウルッときて裏切られる。
最高でしたね。
面食らったけど。(笑)
正直、絵柄からいってもっとストーリーなんかが雑だと舐めてました。
セリフがほとんどないのも、日本のマンガ文法だったらもっと詰め込めるのにとか思いましたが、これも間違ってました。
とにかく展開が緻密なのに驚きましたね。絵も全部じゃないですが好きな部分多いです。
死んで当然みたいなゲス過ぎるキャラばっかりなんで、どのキャラがいいとか言いづらいですが印象に残るキャラ多いです。
飛行船で出会う鳥打帽のガキとか。もちろんピノキオいいですデザインも。(殺人兵器ですが)
内容と関係ないところでは、モアイの顔した刑事が出てくるんですが、ホントにモアイ像なんですよね。生きてるモアイ像。
何でなんだろうかと思って読んでましたが、なんか新しい気もしました。
『カーチャ』もスタート時のイメージは、こうだったのかもしれないなぁ、と思いましたが、
とてもじゃないですが、ここまでの最低さに自分のキャラクター落とせないですよね。
今はもう違う方向に進んでしまったんで参考にはなりませんが、
もっとも、始める前に読んでたら、そもそも似たような話は作らなかったでしょうね。
あっ、そういえば、もう一つ、似てると思ったことが。
ヴィンシュルス、この作品を描くにあたって、『ピノキオ』は原作もアニメも見直さなかったらしいです。
小さい時に見た記憶で描いたんだとか。非常に正しいと思いますね。
私も、『カーチャ』描くのに『フランケンシュタイン』も『ピノキオ』も読んでません。
(薄ボンヤリした記憶、間違った記憶、あらすじだけ、なんかから新たなイメージをこじ開けること少なくないのです)
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テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌
- 2018/11/10(土) 07:29:44|
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