
自分が好きなミュージシャンも読んだということで、
面白そうなんで買ってみました。
原題が『プリンス・イン・ザ・スタジオ』ということで、
スタジオ内でのレコーディング部分中心の内容ですね。
帯にもありますが、“ゴシップなし” “憶測なし”で、
すべてその場に居た人の証言と本人の過去のインタビューで構成されてます。
自叙伝のようなものではないですが、アマチュア時代も含むので、
生まれたところからデビューするまで、どう音楽に触れて来たかもフォローされてます。
まあ、噂というか、ネットのニュース記事やなにかで、24時間いつでもレコーディングスタンバイ状態、
エンジニアは凄まじいプレッシャーで、プリンスが現れたとたん思わず録音ボタン押しちゃう。(笑)
みたいな話は聞いてたんですが、これがその場に居た人の実際の話となると、凄いですわ。臨場感。
だって、噂以上なんですもん。
とにかく寝ない人で、夜通しレコーディングして朝帰って、午前中に再開、みたいなのが一生続いたらしい。
そら、短命ですわ。寝ないで働き続ける人は60の壁超えられないのが相場だからね。
そのへんの異常なレコーディングし続け人生に関しては、ぜひ読んで確認していただきたい。
技術的にも超人的なテクニックで、楽器弾きながらリアルタイムで編集してたり、
新曲のドラムだけをまず、おかずも含めて一発で完璧に録音終わらせたり(もちろん譜面はない)、
およそ人間技ではない曲芸みたいなやり方で時短レコーディングしてたりするわけです。
このへんもぜひ読んで圧倒されていただきたい。
どうも、本人の感情とは別に無限に音楽がドボドボ降りてきてしまう状態だったようで、
それを完成(デモじゃないところが凄い)させないうちは寝れないし次のことに移れなかったんだとか。
もう比較対象がモーツァルトぐらいしか浮かばないですよね。
なもんだから、厳重に管理してある倉庫にいつリリースしてもいい完パケ状態の曲が、数百、
だと思ってたんですけど、桁が違ってました、数千曲あるらしいですよ。
監理する側がすべてリリースするまでに一代じゃ終わりそうにないな。
とにかく、楽器や機材の種類のことは詳しく書いてあるので、
どの曲で何の機材を使ってた、とかいう情報には事欠きません。
80年代中盤あたりから日本のメーカーも登場してくるのがちょっと嬉しい。
ただ、噂や、ネットの記事とはちょっと違う感じの部分もあって、
『ダーティー・マインド』がデモのままリリースされたとか、
「kiss」がホントは他人に提供した曲を回収改変されたものとか、
そういうのは出てなかったですね。
まあ、インタビューされた人が事情を知らなかったら、それは載らないわけなんですが。
また、そういった意味も含めて、基本、いい部分しか出てません。
取り立ててゴマ擦ってるわけじゃないですが、批判的な内容はほぼないです。
あと、『イマンシペイション』の音が前から気になってたんですが、
詳しい解説が94年までで終わってて出てませんでした。(笑)
(途中で、本の厚さから全部載せられるわけないな、とは思いました)
ということで、好きな人にはお勧めですが、
これからプリンスを知りたいという人は・・・、
違う本からの方がいいかな。伝記とか。
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テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌
- 2020/01/24(金) 09:28:15|
- 作曲、音楽
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