
タイトルの通り、松田聖子と中森明菜についての本です。
そもそもは、松田聖子のデビュー秘話や、デビュー時の歌手としての資質がどうであったかを、
当事者の意見で聞きたいな、というのがあって、そんな本ないかと探してました。
で、この本に行きついたんですが、ま、正直言うとあんまり中身精査しないで買っちゃったんですよね。
一応、レビューを覗いたら、明菜ファンが、割かれているページが少ない、とみな怒っていたので、
じゃあいいかなと。(笑) 意地悪いですが。
で、時系列で80年代全般の2人を追っていくんですが、(生い立ちの部分は70年代も含む)
生い立ちからデビューまでは凄く面白くて、知らないことも満載。
特に熱狂的でも何でもなかったですから、松田聖子と同時期にサンミュージックに苦汁をなめた同期が居たとか、
中森明菜がスタ誕で何度もある審査員にディスられてたとか、いろいろビックリ。
が、ですね。
序盤から何やら、物言いが辛辣な部分があるんですね。語気が露悪的といいますか。
どうも、松田聖子のことを中身がない人と決めつけている様子で、革命的と褒めつつも落としてる感じ。
これは・・・・・・、と、気になりながら読み進めますと、
ますます、明菜は健気、聖子はカラッポ、が強調されてきて、
もちろん、アイドルとして成功している部分は、これ以上ないぐらい褒めてはいますが、
聖子は、人格的には褒められないという論調がどんどんエスカレート。
さらに、松本隆の作詞まで空虚で意味がないと毎回強調。
もう、褒めてんだかけなしてんだか判らない。
後半になると、自説を成立させるために、だんだん齟齬が目立つようになって、意見に一貫性を欠くしまつ。
よく読むと、数字も好きに解釈しているところがあって、内容を疑いたくなる。
あとがきでは、その空虚さが好きなんだと思いっきりフォローしてますが、
少なくとも、松本隆と似てると称した村上春樹のことは潜在的に嫌いなはず。
たぶん、松田聖子のことも、アイドルとしては認めても人物としては好きじゃないんでしょう。
読んでいて感じるのは、山口百恵とキャンディーズが好きで、ピンクレディーが大嫌い。
松田聖子を革命者と持ち上げつつもどこかで嫌ってもいて、明菜は大好き。こんな感じか。
褒めつ、くさしつ、タップリと『ザ・ベストテン』でのバトルを書いて、このへんで止めときゃいいのに、
とうとうラスト、自説はトンデモない着地を見せます。
なんと、松本隆は、日本を少子高齢化させるために聖子に歌詞を書いたんだそうで、
ビックリし過ぎて、目を疑いましたが、冗談だったとしても、かなりたちの悪い陰謀論者かと思うようなおかしさ。
思い込み強すぎてちょっと怖いです。
それぞれのデビューまでのエピソードや、歌のデータなどは、素直に面白かったですが、
松田聖子のファンは特に買ってはいけないたぐいの本かなと。(読んでてムカムカします)
その後、同意見があるかとレビューを見たら、
この本を読んで(レビュー書いて)いる人たちは、ことごとく明菜のファンであることが判明。
明菜は、ほぼくさされてないので(全体に同情的)、そりゃ、量的に不満があっても面白かったでしょう。
で、画像探したときに、別の松田聖子の本を見つけて、ああ、こういう本じゃん?読みたかったの、
と思って、さっそくアマゾンでレビューを見たら、なんと買ってました。(笑)
買ってんだってさ。
じゃあ、どっかにあるな。
それにしても、中森明菜の一家は凄いな。いろいろと。
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テーマ:読んだ本 - ジャンル:本・雑誌
- 2021/07/16(金) 08:44:30|
- アイドル、タレント
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