
新聞の書評欄で発見。
普段この手のものはまったく読まないんですが、
明治から戦後ぐらいを扱った小説やドラマなんかで、
壮士やら大陸浪人やらが出てくることがあって、
何となくは判るんですが、実際はどうなのか。
もっと知ってたら、もっと楽しめるのかなぁと思って、なんとなく読んでみました。
タイトルの通り、幕末から戦後までの政治と暴力の関係を書いたもの。
もとは論文で、著者はアメリカ人の女性です。
はじめ、アメリカ人にどの程度日本のことが判るのか、なんていぶかしく見てたんですが、
日本の研究はアメリカでも盛んだし、むしろ変な先入観がないだけ逆にフラットでした。
じゃあ、外国人特有の先入観はどうなのかといえば、それも出ないよう非常に気を使っている感じでした。
具体的には、明治期の博徒や壮士から始まって、院外団になり、
大陸浪人の出現、それらが独立して作った政治団体の暗躍。
ヤクザや暴力的組織側からの政治参加に、左右のぶつかり合いやテロ。
さらに、組合や労働争議でのぶつかり合い。
有権者が増えると暴力から金にものを言わせるものが変わり、戦後、フィクサーの登場。
とまあ、こんな感じ。
当初の知りたいことは。大体掴めましたが、戦後のフィクサーのあたりが非常に面白く、
もっと具体的な事件との関わりを詳しく長く読みたい感じでした。(暴力が減ったことで内容が短い)
アメリカの干渉は思っている以上に深く、事態はとてもじゃないが一筋縄ではいかない。
政治の裏側を全般に扱ったものではなく、
あくまで、暴力との関わりですくい取った本なので、
そう思わないで読むと喰い足りなさがあるかも。(注釈と参考文献多いし)
ということで、興味のある方はいかがか。
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テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌
- 2023/03/12(日) 05:04:55|
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