
HPでやっているスクロールコミックのための資料として買った本の1冊です。
前にも1冊紹介しましたが、改めて何の資料か説明しますと、
スクロールコミックという、縦長か横長の1枚絵にストーリーを持たせたものを描いてまして、
(スクロールしていくとオチがあったり、話が進んでいく)
そのフォーマットでミステリー描きたいなと無理な発想をしたんですが、これがなかなか難しい。(笑)
1枚の絵でどんでん返しのようなことがしたいんだけど、何か参考になるものはないかと。
それで、あれこれ考えて超短編のミステリーにたどり着いたというわけです。
前回の日本人作家のもの(4ページミステリー)は、1つか2つかな、アイデアの原型の助けになるものがありましたが、
今回は、どれもショートショートというには話がちょっと長くて、しかも、オチでガラッと世界観が変わるというのも少なかった。
出来れば、ビジュアル的なオチだとありがたいんだけど、それも少なかったかな。
でも、一応、参考にはなりました。
部屋の中と外での会話で、話の内容と現実が極端に違うとか。
矛盾を持たせた絵を提示して、タイトルや短いセリフで落とすとか。
まあ、ここから具体的な内容を詰めていく方が大変かもしれませんが。
で、ですね、前回は日本人作家で今回は英米の作家、これがかなり作風に違いがあったんですね。
日本人の方は1人なんで、日本人作家の作風を代表させちゃうのは可哀想なんですが、
これがね、決定的な違いがあったんです。
良いとか悪いじゃないんで、あくまで作風の違いなんですが、ウィットのあるなしなんです。
英米の作家は、ほぼもれなくウィットがある。
それでいろいろ思い出したんですが、
デーブ・スペクターが笑える映画のシーンとして、メル・ブルックスの『ヤング・フランケンシュタイン』の中の
怪物が少女を井戸に突き落とそうと企むシーン(だったかな?)を挙げていて、
最後までは描かないんですが、誰にも企みが判るようにウヒヒと近づいていくところが最高だと。
この最後までは見せないところが面白いんだ、と言っていて、ふ~んと判ったような判らんような。
で、最近、海外のアニメ好きネットユーザーたちが口々に言うには、
日本のアニメ、マンガのギャグシーンは、面白いけど、説明し過ぎ、ツッコミは要らないのでは、
または、直接ダイレクトに言い過ぎ、皮肉が足りないと異口同音。
皮肉って嫌味みたいなもんでしょ、嫌味って悪口じゃん。
あざけりが入ると素直に笑いづらいよね。
日本人だとこんな感じになると思うんですが、
欧米的には、上手く皮肉を言うというのがユーモアのある人らしい。(限度はあると思うけど)
じゃあ、皮肉ってなんだ? ていうと、直接言わない。最後まで言わないってこと。
デーブの言ってたことはコレ。
そこで、何となく判ってきた。
ウィットって、最後まで言わないってことなんだな、と。
まあ、当たり前っちゃ当たり前のことなんですけどね。
例えば、背の小さい人にチビって直接言うのは下品な行為ですから。
日本のマンガやアニメも、日本人に気取ってんじゃねーよと思われないような皮肉をもっと考え付ければ、
海外でもさらに受けるのかなぁと思った次第。
本の方は、海外ミステリー好きだったらトイレとかに置いとくと楽しめるかも。
解説読むと、海外って、ほぼ素人の兼業作家が凄く多いんですね。特にジャンル物だと。
この本の1作だけという人もチラホラ。
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テーマ:読んだ本の感想等 - ジャンル:小説・文学
- 2023/04/17(月) 01:43:18|
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