郷が巨大ブーメランにしがみつく話。
下町の一角で紙芝居を見ている次郎と子供たち。
“多々良純”演ずる紙芝居屋のジジイは、オープンリールのレコーダーのSEを駆使して、MATがレッドキラーなる怪獣をやっつける話を見せる。
ブーメランの付いた怪獣は、いったんアローを撃墜して勢いを見せるが、MATの新兵器にやられてしまう、というストーリー。
紙芝居が終わりみな帰るが、カギっ子の少年が一人残る。
その鼻詰まった棒読みの少年が、「家に帰っても誰もいない」と訴えると、MATを見に行こうとジジイが誘う。
この少年、次郎に比べると恐ろしく棒読みだが、幼児特有のつたなさが感じられ、変な抑揚を付けた児童劇団仕込みのクサクサ演技よりマシに思われ、可愛いとさえ思える。
何故かマットビハイクルがパトロールに通ることを知っているジジイは、自分たちのいる高架の下にビハイクルが来ると、棒読み少年を張り飛ばし、なんと車の目前に投げ落とす。(建物の3階ぐらいの高さあり)
急ブレーキで難を逃れた郷だが、紙芝居屋のジジイが「MATが子供を轢いた!!」とデカイ声で触れ回り、すぐに大騒ぎになってしまう。
MATでもそく大問題になり、郷の進退問題にまで発展するが、郷の必死の訴えで再度現場検証をすることに。
このシーン、丘隊員のメイクが“みなしごハッチ”まではいかないが、場末のスナックのママ並に濃い。
髪はパーマが落ちてきた様子。
行くと、まだ居たジジイがやっぱり「見た」の一点張りで、厭らしいクレーマーの如く郷の処分を隊長にしつこく迫ってくる。
ほかに目撃者がおらず、処分保留で進退は隊長預かり。
MATとしての行動はしばらく禁止となる。
郷は唯一全ての真相を知る、被害者の棒読み少年の見舞いに行く。
驚いたことに、あの高さから投げ落とされてなお生きていたのだ。
恐るべきタフさ。
その頃ジジイは、影で道具をゴソゴソやりながら、郷がMATから締め出されたことにほくそえむ。
紙芝居用の箱を開けると中はノートパソコンのようになっており、本性である宇宙人上司と交信を始める。
オズの魔法使いのカカシの頭部がそのまま脳みそになり、そこから目が前方にカニの如く飛び出した(手もカニ)その宇宙人は、紙芝居で伝えたとおりに怪獣を出現させる作戦を実行しろという。
一回目はわざと負けることがポイントで、ウルトラマンが不要だと人類に思わせるのが目的らしい。
病院では、かなり頭を強打したと見えて、弁慶スタイルにグルグル巻きにされている棒読み少年。
普通病棟だが、たぶん絶対安静。(身体の上にカゴの様なものが置いてあり、直接布団が当たらないようにもなっている)
街では怪獣が出現し大暴れ。
MATも出動して岸田がアローで攻撃開始。
デコボコとツルツルの面が逆になった貧相なゴモラが三日月形ブーメランを握ってるような、ちょい安易なこの怪獣の、アニメーションによるブーメランアクションが見ていて楽しい。
広範囲に被害が及び、郷のいる病院でも避難が始まる。
棒読み少年は急変。
CMへ。
紙芝居の通りにことが進むのを疑問視する次郎。
やはり、話の通り撃墜される岸田アロー。
ますます荒れ狂う怪獣に新兵器(原爆に匹敵)を投入するMAT。
ズタボロの岸田が自力で帰ってくると、みなで攻撃しやすいポイントへ急ぐ。
ショットガン切り詰めただけ、みたいな新兵器を上野が撃つと怪獣は虹色になって消滅。
と思ったら、ジジイが指令を受けてすぐに怪獣再登場。
前にもまして暴れまくる。
今度は撃っても効かず。
怪獣の進路上にある病院の避難誘導にきた隊長と丘隊員は郷と少年に会う。
降ってきた瓦礫のショックか、意識が戻る少年。
何事もなかったかのように、相変わらずのたどたどしい声音で「あのときのMATのひと?」「紙芝居のおじさん捕まえてくれた?」「おじさんは宇宙人だよ」と事故の真相以上の驚愕の事実をボソリ。
罠に嵌められていたことが判り、隊長もすぐに郷の任務復帰を命ずる。
現場に着くなり、ハッと上を見上げて「紙芝居の親父!!」とマットガンを抜く郷。
何も知らない岸田は、民間人に何てことするんだと、「気でも狂ったのか!!」のセリフと共にと郷を止めに入る。
が、「あいつは宇宙人なんです!!」「たった今判ったんです!!」と、郷が告げるなり、嬉々として「よぉ~し」と自分で多々良純を射殺。
やはり岸田の本性は怖い。
郷が屋上に行くと、ジジイは本性を晒して絶命。
怪獣は怒ったのか、郷にめがけて巨大ブーメランを投げつける。
スレスレで避ける郷。
きりもみジャンプでアクロバティックに避ける余裕を見せつつ、三投目でブーメランにしがみついた郷は、怪獣の目前で変身。
そのまま蹴り飛ばす。
めちゃめちゃにぶちのめした末、ムチに変えた腕輪でブーメランを2つとも奪い、首を落とし、残りの身体をタテ真っ二つにして勝利。
回復した少年と次郎と郷が仲良くじゃれあったところでEND。
朴訥とした子役の演技が印象に残る1本。
特撮に見所多し。
星人の侵略話が増えたが、攻撃力に見合わない卑怯で姑息な作戦をしてくる奴が増えた気もする。
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- 2009/05/04(月) 04:56:21|
- MX円谷劇場
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