40メートルの巨大女が出現する話。
主な登場人物
「北斗星司」 男側主人公、南と合体してAに変身する。池田鉄洋的オーバー演技傾向あり。
「南 夕子」 女側主人公、北斗と合体してAに変身する。皇后様似。
「竜 五郎」 TAC隊長。必殺技「一週間の謹慎」。なにかと死に急ぐ男。
「山中一郎」 射撃の名手、何故か2丁の両手撃ちが基本。直情型のキ印野郎。
「吉村公三」 宇宙生物の権威。今のところ全くの空気。
「今野 勉」 ロケット工学のオーソリティー。デブキャラ。人の失敗をネタに笑いを取るのが趣味。光の速さで心が折れる男。
「美川のり子」通信、副官担当。爆弾魔。エロ担当。
「梶 洋一」 兵器開発主任。新興宗教の教祖のような制服着用。
早朝、隊長はサイケな天女の夢で起こされる。
夢のことを考えながら、伸びなどをしていると玄関にノックの音。
いぶかしがりながら出ると、そこには白いパフスリーブのワンピースを着た黒髪ロングの美女が・・・。(ほんとにかなり美人です)
その女は、朝6時前の唐突な訪問にもかかわらず、家主がTACの隊長と知りながら、いきなり「お手伝いとして雇ってください」と言い出す。そして、その顔は、夢の天女と同じであった・・・。
「独身の私にお手伝いは要らないし、そもそも、何故隊長と知っているのか」と、問い返しても要領を得ない。
女は目を潤ませながら必死に懇願するが、「身元がハッキリしない人は雇えないんだよ」と静かに断る隊長。
そのうち、女の方が折れ「私、来てはいけない所へ来てしまったんですね・・・・」と、悲壮な感じを引きずりながら退場する。
このシーン、珍しく隊長の私生活が描かれていて面白い。
ブルーで統一され、壁にはオシロスコープ付きの計器類がはめ込まれた部屋は、清潔感のあるマンションの一室。
また、この時点ではその物言いから狂人かもしれない女に、やんわりと真面目に接しているのが何故かおかしみを誘う。(美人だったので悪く思わなかったのかもしれないが。本来なら警備員に通報する事案だろう)
隊長が本部に出勤すると、すでに慌しい。
何と、おとめ座が星雲ごと吹っ飛んだらしい。
天文学的には大事件だが、「おとめ座か、地球には関係ないな」と隊長は意に介さない。
星座が地球からの見た目だけで、それぞれの星の位置が近いとは限らないというのは、このさい置いとくとして、星雲が今でいう銀河であるなら、それはとてつもないエネルギーの爆発であり、中心のブラックホールから放出されるガンマ線のジェットが地球を向いていたとすると、地球に危険が無いとは言い切れない。(距離にもよるが)
ちなみに、無能者今野はこの出来事がよほど楽しいとみえ、みな緊迫した表情で対応しているのに、「また、大星雲がひとつ消滅だな~」と、頬を赤らめてウヒョウヒョ顔。
さらに、今朝の顛末を語る隊長には、「大丈夫でしたか?隊長」と指差して若干下ネタ入ったゲスい発言。
隊長が顔色ひとつ変えず「何が?」と返すと「別に」と、顔を逸らす。
もっとも、このシーンでは南も「お手伝いじゃなくて、奥さんじゃないのかしら」と茶化し怒られてはいるが。
その後、今朝の女は豪邸に住む若い男(家族は別荘に旅行中で留守番の身)に取り入り、入り込むことに成功。
大学生風の男は、その美貌に参りすっかりご執心の様子でデレデレ。
TACの隊長に断られた経緯を話すと、一方的にTACを避難し始める。
しばらくすると、屋敷の辺り一体が寒くなり、金魚は死に、電波が乱れる。
TACも異変に気付き、宇宙線の集中を観測すると調査に乗り込む。
北斗と南が屋敷に門前払いを食らうと、隊長が直々に訪問を決意。
かしこまってスーツで現れる隊長。
屋敷の屋上から女に目力ビームで攻撃を受ける。
出てきた青年に門扉の焼け跡を示すが、隊長ということがバレると目の敵のように追い返される。
その夜、顔の割れていない隊員が私服で屋敷を包囲。様子を伺う。
中では青年が「大丈夫だよ」「怪しい奴は誰もいないから、安心してお休み」としつこく寝室へ誘っている。
怪しい奴が青年本人であることは言うまでもなく、下心まるだしである。
外では、夜なのにグラサンかけた山中を筆頭に雑談に花が咲く隊員たち。
女が目から光線を放ったことに対して疑問視し、「疲れてる」だの好き勝手言っていると、無能者今野が(夢の件も含めて)「(隊長、)おかしいんじゃないかな~」と、デカめの声で駄目押し。
すると、今野の胸から「こらっ、筒抜けだぞ!!」と隊長の声。
今野は通信機のスイッチを入れっぱなしだったのだ。
バツ悪そうに謝る一同。
人の失敗を嘲るいつもの性格は、隊長にも発揮される今野であった。
CMあけ、屋敷では女が爆発したおとめ座の元住人であり、ヤプールの力で脱出させてもらった見返りに言う事をきくはめになっていることがバラされる。
女の騒ぎ声に駆けつけた青年は、天女のような(どっちかって言うと卑弥呼?)姿になっている女に驚くどころか感動し、自分の方が天に昇ってしまう。
「彼女は天女だったんだぁ~」
攻撃命令が下った女は青年を追い出すと、ひとり鏡の前で苦悶する。
次第に顔がただれ、怪物のようになったところで超獣に転身。
天女の衣装をまとった40メートルの超獣が屋敷から出現。
身体は衣装で見えないが、頭部はドクロ顔のカラス天狗の頭にセンスが開いたような感じ、と書こうと思ったが、よくよく考えてみると、この頭のデザインはトリケラトプスが凝縮されているように見える。
攻撃が開始されると、超獣には実体がないことが判明。
さらに、何故か隊長がボディーに突っ込み中の様子を探ると、女が中で囚われていることが判る。
その後、Aが登場し、ヤプールからのエネルギーを断つと、女は本来の天女の姿に戻る。
サイズはそのままで。「どうして、そんなに大きくなっちまったんだいっ」と、泣き崩れる青年をよそに、Aは勝手な思いつきで天女を白鳥座に連れて行くことを決める。(「白鳥に乗ってこその天女だから」と、岸田森談)
デカイままAとともに無言のまま飛び去り、それを見て道路に突っ伏す青年。
「うわぁぁぁぁん」と泣いていると、さも、「同じ女を愛したもの同士気持ちは判る」といわんばかりのしたり顔で「君、これは夏の夜の夢なんだよ」「しかし、夢は大切にしたまえよ・・・」と忠告。
「はぁ?」ってな感じで、あんまり納得してなさそうな青年を残し、飛び去るAと巨大女のバックショットでEND。
なんといっても、今回の見所はカタブツ隊長の私生活と人となりが見えるところ。
何気に、女を憎からず思っていそうなところが面白い。
まぁ、天女役の女優さんがホントに美人なんで、青年でなくとも別れを惜しむ気持ちは判らないではないんで、隊長が憎からず思っていても不思議はないですが。
あとは、超獣の頭部のデザインがなかなか印象的だったかと。
天女で何故あの顔かは判りませんがね。
ラストの巨大天女はシュールだなぁ~。(笑)
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- 2009/11/16(月) 06:30:22|
- MX円谷劇場
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